主要政党の公約などにおける皇室の諸課題に関する主張
安定的な皇位継承や皇族確保の議論が急務となる中、今回の衆院選は皇室をめぐる諸課題への各党のスタンスを見極める選挙にもなる。しかし、自民党や公明党は政権公約や重点政策で見解を載せておらず問題意識の低さが浮き彫りとなった。
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■保守政党の矜持どこに
政府の有識者会議は令和3年の報告書で、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案や、養子縁組による旧皇族の男系男子の皇室復帰案などを打ち出した。現在は報告書をベースに立法府の見解をまとめるための議論が国会で行われている。
石破茂首相は自民総裁就任直前の産経新聞のインタビューで、「個人として男系男子で継承されるべきだと考えている」と明言。8日は国会で「立法府の総意が早期に取りまとめられるよう、国会での積極的な議論を期待する」と答弁した。
公明は今年4月、有識者会議の報告書に沿った意見書を衆参両院議長に提出。養子縁組後に婚姻した配偶者とその子は「皇族となることが考えられる」と記した。
■野党は女性宮家創設、男系継承堅持など主張
日本維新の会は基幹政策で「古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえた上で、国民的理解を広く醸成しつつ丁寧な議論を率先する」と記した。皇室の歴史に整合的かつ現実的であるとして、養子縁組案を「第一優先として、皇室典範の改正に取り組む」とも強調した。伝統的な男系継承堅持を求める保守層を自民から奪う狙いも透ける。