自公、過半数維持の公算大 毎日新聞・衆院選序盤情勢調査(2024年10月16日『毎日新聞』)

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国会議事堂=東京都千代田区で2022年8月3日午前7時56分、竹内幹撮影
 毎日新聞は15、16両日、第50回衆院選(定数465=小選挙区289、比例代表176)が27日に投開票されるのを前に、特別世論調査を実施し、取材を加味して序盤情勢を探った。自民党公明党の連立与党で過半数を維持する見通し。裏金事件の逆風を受ける自民は議席を減らす公算が大きいが、接戦区の多くで競り勝てれば単独過半数(233議席)を維持できる可能【写真で見る】衆院選で非公認となった議員
 調査では小選挙区で5割近くが投票態度を明らかにしておらず、情勢が変わる可能性がある。
 自民は山形、富山、滋賀、鳥取、徳島、高知、熊本の各県の全ての小選挙区で優位に戦いを進めているが、宮城や新潟などでは苦戦。全289小選挙区のうちリードしているのは130程度で、40以上の小選挙区で激しく競り合っている。
 比例代表では、公示前(72議席)並みの議席を確保できそうだ。小選挙区と比例を合計した自民の推定当選者数は203~250となる。
 連立政権を組む公明も、候補者を擁立した11選挙区のうち4選挙区は優勢だが、石井啓一代表が立候補した埼玉14区を含む5選挙区が接戦となっている。比例と合わせ、公示前の32議席を確保できるかは微妙な情勢だ。自公両党では過半数を維持する見通しだが、国会の常任委員会の委員長ポストを独占したうえで過半数を握る「絶対安定多数」(261議席)には届かない可能性がある。
 立憲は公示前から議席を増やす見通し。強い支持基盤を誇る北海道などで議席の上積みを視野に入れる。比例も前回(39議席)から積み増しそうだ。
 日本維新の会は現状、伸び悩んでいる。小選挙区では地盤の大阪で優位に戦いを進める選挙区が多いが、大阪以外では苦戦。比例と合わせた全体で、公示前の43議席を割り込む可能性がある。
 共産党は、沖縄の1選挙区での議席獲得が見通せず、比例も前回の9議席を下回りそうな情勢だ。国民民主党は比例が堅調で、小選挙区を含む全体で公示前の7議席からの倍増を視野に入れる。れいわ新選組は公示前の3議席から倍増の勢い。社民党は公示前と同じ1議席獲得のめどは立ちつつある。政治団体「日本保守党」も1議席を確保しそうだ。【影山哲也】
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 毎日新聞とTBSテレビ/JNNは15、16の両日、スマートフォンを対象としたインターネット調査「dサーベイ」で実施した。dサーベイは社会調査研究センターがNTTドコモの協力を得て開発した手法。NTTドコモが運営するdポイントクラブの会員を対象としたアンケートサービスを使用し、全国約7000万人(18歳以上)の母集団から調査対象者を無作為に抽出。調査への協力を依頼するメールを配信し、18万9642人から有効回答を得た。