【ロンドン=湯前宗太郎】ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に授与すると発表した。被団協は広島と長崎の被爆者の全国組織で、原爆投下の11年後の1956年に結成された。核兵器の非人道性を広めるための草の根運動が評価された。
ノーベル平和賞は各国の政府や国会議員、大学教授、過去の受賞者、国際機関の職員などによって推薦された候補者の中から、ノーベル賞委員会(5人)が選出する。今年は計286候補(個人197、団体89)に対する推薦があった。
正式名称は日本原水爆被害者団体協議会。米国が1945年8月に広島と長崎に投下した原爆の被害者による唯一の全国組織で、36都道府県にある地方組織で構成される。米国による54年のビキニ水爆実験をきっかけに、56年8月10日に長崎市であった第2回原水爆禁止世界大会で結成された。「原水爆禁止運動の推進」「原水爆犠牲者の国家補償」などを掲げ、被爆体験の継承や被爆者健康手帳の申請支援も続けている。
ノーベル賞のメダル=2012年12月(代表撮影)
ノーベル平和賞は各国の政府や国会議員、大学教授、過去の受賞者、国際機関の職員などによって推薦された候補者の中から、ノーベル賞委員会(5人)が選出する。今年は計286候補(個人197、団体89)に対する推薦があった。
被団協が開いた核兵器禁止条約発効を記念する2021年の集会で、あいさつする田中熙巳代表委員(中央)=東京・永田町で
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