中国に返還される上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダのつがい、雄リーリーと雌シンシン=いずれも19歳=が29日、トラックで園を出発した。成田空港からチャーター機で中国に移動。四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターへ同日中に運ばれる。
シンシンを見に訪れた人たち 応募約1万2千人の中から事前抽選「日本に来てくれてありがとう」
トラックは午前4時ごろに園を出発した。集まったファンらが手を振り、見送る園職員の中には涙ぐむ人もいた。福田豊園長は「少し寂しいが、今は感謝の気持ちの方が強い。生まれ育った環境で穏やかに暮らしてほしい」と話した。2頭は落ち着いた様子で輸送箱に入り、少量の水やリンゴ、ニンジンなどを与えられたという。