◆ユーチューブにアップされる動画を信じ…
「本当に気分が悪くなるメールが大量に届きます」
日弁連の緊急集会でヘイトの現状を報告した登壇者ら=26日、東京都内で
そのどれもが埼玉県外から。「電話してきた人に問い合わせると、クルド人に何かされたわけでもなく、川口に来たこともない。『ユーチューブで見たから』とネットを信じ込んでやっている」と話した。
◆「無自覚な差別者を巻き込んでいる」
「これまで中国人や在日コリアンを差別していた連中が、クルド人を敵に選んだ。ネットでデマをまき散らし、無自覚な差別者を巻き込んでいる」とヘイトが拡散される構造を分析。川口市役所にも、デマを信じた人たちからの「クルド人を追いだせ」といった電話が相次いでいるという。
日の丸を振ってデモする人たちに対し、差別反対を訴える男性(手前)ら=4月28日、埼玉県蕨市で
クルド人が暮らしたり仕事したりする場所を訪れてスマホで撮影し、「犯罪者」のレッテルを貼って動画投稿する人もいるという。「いま多くのクルド人はスマホを恐れている。差別者は『クルド人怖い』とあおるが、本当に怖がっているのはクルド人の方だ」と訴えた。
◆トルコ政府によるテロリスト認定も影
トルコ政府が昨秋、同協会と幹部を「テロ組織支援者」と名指しし、ヘイトが助長される結果となった。
◆「川崎でできたことは、埼玉でもできる」
師岡氏は、日本で初めてヘイトスピーチに対する刑事罰を盛り込んだ川崎市の条例を紹介し、「川崎にならい、実効性のある条例をつくることが緊急に求められている。川崎では研究者、当事者、市民、さまざまな方が協力して実現できた。埼玉でも必ずできる」と提言した。
その川崎市に事務所を置く神原元(はじめ)弁護士は「埼玉の状況についてきょう初めて知ったことも多い。弁護士に何ができるのか、埼玉の皆さんと情報交換する場を作りたい」と述べた。
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