告発文書、内部調査の詳細明かさず 斎藤知事、既に一部の供述説明 整合性問われる(2024年8月20日『神戸新聞』)

職員アンケートに関する報道陣からの質問に答える斎藤元彦知事=20日午前、兵庫県庁(撮影・風斗雅博)
 兵庫県の斎藤元彦知事らを告発する文書を作成した元西播磨県民局長が公益通報者保護の対象とされず懲戒処分された問題で、斎藤知事は20日の定例会見で、県の内部調査について「県情報公開条例に基づいて非公表とする」として詳細を明かさなかった。一方、斎藤知事は7日の会見で元県民局長が「うわさ話を集めて作成した」と供述したとする調査内容の一部を説明しており、具体的なやりとりや整合性について質問が相次いだ。
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知事のパワハラ証言が新たに寄せられた職員アンケート
 斎藤知事は7日、当時の片山安孝副知事が3月25日に聴取した際に元県民局長が「うわさ話を集めて作成した」と認めたと説明。そのため「文書には真実相当性がなく外部通報の保護要件に当たらない」と判断したとしていた。一方、7月に自死した元県民局長は4月1日付で報道機関に配布した文書で、3月25日の聴取では「一人で作成した。他に関係者はいない」と伝えただけだと記していた。
 調査の具体的なやりとりや過程を問われた斎藤知事は、県情報公開条例6条が掲げる公開請求の除外規定を根拠に「人事管理に関する事務は公開できない」と主張。7日に元県民局長の一部供述を明かしたことについては「文書に信ずるに足る相当な理由が存在しないことを説明するため、県の特別弁護士と相談した上で必要最小限の部分を伝えた」とした。供述の裏付けとなる調査記録は「確実に存在する」とし、あらためて県の対応は適切だったと繰り返した。
 懲戒処分に疑義が生じた場合は公表すべきではないかとの質問に、知事が「疑義が出ているから公表しないといけない理由は何ですか」と反問する場面も。一方、県議会調査特別委員会(百条委員会)から内部調査資料について開示請求があった場合は「適切に対応していく」とした。(金 慶順)