オウム真理教主流派の後継団体「アレフ」の施設に現金の入った賽銭(さいせん)箱が確認され、公安調査庁が団体規制法に基づく再発防止処分違反にあたる疑いがあるとみて調査していることが4日、分かった。再発防止処分の対象であるアレフはお布施などの金品の受領が禁じられており、受領が処分期間中であれば幹部や信者が刑事処分に問われる可能性がある。
公安庁は「違法行為だと考えており、厳正に対処する」としている。
公安庁によると、賽銭箱があったのは埼玉県八潮市大瀬にある団体の道場。4月30日に立ち入り検査を実施したところ、道場に賽銭箱に当たる「布施箱」を発見し、中に現金が入っていたことも確認された。
今も麻原信奉
4月30日、公安庁の立ち入り検査で現金入りの賽銭箱が確認された埼玉県八潮市大瀬にある道場には、麻原元死刑囚の写真が掲げられ、生前の説法を収録した教材が保管されていることが確認された。
公安庁によると、団体名を隠したサークルなどを通じて若い世代の勧誘を続けているという。
アレフが公安庁に報告する資産は元年11月時点で13億円弱だったのが6年2月には2千万円弱にまで激減。公安庁は、一連の事件の被害者への10億円超の賠償金支払いを逃れるために隠した可能性があるとみている。
公安庁は今年7月、9月が期限の再発防止処分を6カ月延長するよう公安審に請求。賽銭箱が見つかった道場も使用を禁じるよう求めている。