アイドルら手話普及呼びかけ 市条例制定5周年、八戸でフェス(2024年10月21日『デーリー東北』)

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音楽に合わせ、手話を駆使したダンスパフォーマンスを披露する中嶋元美さん=20日八戸市
 八戸市手話言語条例の制定5周年を記念した「手話しゅわフェス」(市主催)が20日、SG GROUP ホールはちのへ(八戸市公会堂)で開かれた。アイドルで手話パフォーマーの中嶋元美さんらが登場。講演やダンスなどを通じ、ろうあ者への理解促進や手話の普及を呼びかけた。
 市は2019年、聴覚障害の有無にかかわらず、全ての人が支え合う共生社会などを目指して条例を制定。フェスは市ろうあ協会(谷﨑利巳会長)などが開催に協力した。
 中嶋さんは生まれつき感音性難聴を患い、高校1年の時に聴力を完全に失った。不安を抱く中、手話に出合い、劇団で活動後、フリーに転向。2021年の東京パラリンピック閉会式に出演するなど活躍中だ。
 講演で中嶋さんは、手話を習い始めた頃の心境について「言葉が目で見て分かるなんて、衝撃だった」と回顧。「自分の意見を言ってもいいんだ―と思えて、自分に自信が持てるようになった」と話した。
 自らが作詞した曲「Reborn~音のない世界で~」などに合わせ、手話を交えたダンスを披露。独自の世界観と表現力で観客を魅了した。
 俳優風間俊介さんのビデオメッセージ上映や、同協会など3団体による来場者参加型の手話コーラスも行われた。
 市内から訪れた会社員安田紗織さん(39)は、中嶋さんの歩みに「聴力を失っても諦めず、挑戦を続けていてすごい」と感嘆した様子。「ろうあ者の力になれるように、手話を習ってみたい」と話した。

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