不祥事相次ぐ鹿児島県警が再発防止策を策定 柱は幹部育成や人事交流活性化 原因に「幹部の指揮統率や組織内の連携不足」 進捗をHPで公表へ(2024年8月3日『南日本新聞』)

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頭を下げ謝罪する野川明輝本部長=2日午後4時5分、鹿児島市の県警本部
 鹿児島県警は2日、現職警察官らが相次いで逮捕された一連の不祥事を巡り、幹部職員の育成や人事交流の活性化などを図る再発防止対策を公表した。全職員が組織改革に参加する「改革推進委員会・研究会」を設置し、再発防止や改善策の進捗(しんちょく)を管理する。警察庁は、原因究明や県警を指導するため6月24日から始めた特別監察を終えた。
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 再発防止策は、2023年以降に現職警察官や元幹部が逮捕された、性犯罪や情報漏えい事案などの原因を分析し策定。幹部職員の指揮統率や組織内連携の不足が原因だったとした。
 対策の柱に(1)職責自覚と職務倫理の養成(2)個人情報保護への意識向上(3)的確な指揮統率と組織的対処の強化(4)県民への誠実な姿勢-を掲げた。警部以上の幹部を部下が匿名で評価するほか、相談・苦情対応を強化する。不祥事を起こした被処分者の体験談を基にした研修なども盛り込んだ。
 酒気帯び運転で南さつま署の巡査長が7月に停職処分を受けた事案とは別に、6月にも別の警察官が同様の事案を引き起こしていたと公表。出勤前のアルコールチェックも義務化した。
 委員会設置は県警独自の仕組み。本部長、各部長、首席監察官で構成する。研究会は警部補以下の有志でつくる。本部各課と県内全署に設置し、本部長に組織上の課題を直接提言する。
 再発防止策の取り組み状況をホームページで公開するとしているが、具体的な運営方法は示していない。
 野川明輝本部長は記者会見で「県民に『県警は変わった』と思っていただけるよう全力で取り組む」と述べた。県公安委員会は「再発防止策は策定して終わりではない。進ちょく状況の確認や検証を行い、不断に見直す」とコメントした。
 再発防止策は6日にある県議会総務警察委員会の閉会中委員会で調査される。