惨事を繰り返さぬよう、安全対策を着実に実行する必要がある。
事故では、許可が出ていないにもかかわらず、海保機が滑走路に進入していた。管制官は気づいていなかったとされる。
一部の空港では、滑走路に進入できるかどうかをパイロットに知らせる表示灯が設置されている。事故現場にはなかったため、導入拡大が提案された。
常に緊張を強いられる管制官の負担軽減策も盛り込まれた。
人材確保も課題として挙げられた。全国の定員は2031人だが、6月時点で113人の欠員が生じている。
滑走路への誤進入は以前から起きており、再発防止策には過去に提言されていた項目もある。対応を加速させるべきだ。
滑走路上での事故の多くは、こうした人為ミスが原因である。完全になくすことは難しい。それを前提に、航空機の安全を守る仕組みを構築しなければならない。
ひっきりなしに航空機が行き来する羽田空港は、世界的に見ても過密な状態にある。滑走路が井桁のように配置され、複雑な離着陸の運用がなされている。
空港ごとに運航関係者が連携・協議する場を設け、安全性の向上を図っていくことも必要だ。
訪日外国人の増加などで航空需要の拡大が予想される。事故につながるリスクをなくしていくための不断の取り組みが欠かせない。