兵庫県知事“パワハラ疑惑” 百条委に音声データと陳述書(2024年7月15日『ABEMA TIMES』)

 兵庫県の斎藤知事の複数の疑惑を告発し、その後死亡した県の元幹部職員が、疑惑についての音声データや陳述書を残していたことがわかりました。
【映像】前回の百条委員会の様子
 元幹部の男性は3月、斎藤知事によるパワハラなどの疑惑を内部告発し停職3ヵ月の懲戒処分を受け7月、百条委員会に証人として出頭する予定でしたが、7日に死亡しました。自殺とみられます。
 関係者によりますと、男性は百条委員会での陳述書や、知事の疑惑に関する音声データを残していたということです。
 音声データでは県内の自治体の首長が地場産品のワインの販売を推し進めたいと伝えた際、斎藤知事が「飲んでみないと分からない」「飲みたいな」などと話す様子が記録されているといいます。
 また男性は、遺族に残したメッセージの中で「死をもって抗議する」「百条委員会は続けて欲しい」などと記していました。
 音声データと陳述書は12日に遺族から百条委員会に提出されていて、委員会は16日の理事会で扱いについて話し合うということです。(ANNニュース)
 厚生労働省は、悩みを抱えている人には1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう呼び掛けています。

「仕事するのが私の責任」兵庫県知事、パワハラ疑惑で改めて続投強調(2024年7月15日『産経新聞』)
 
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関西3空港懇談会の終了後、会場から出る斎藤元彦・兵庫県知事(中央)=15日午後、大阪市北区(甘利慈撮影)
 
パワハラ疑惑などが告発されている兵庫県の斎藤元彦知事は15日、大阪市内で開かれた関西3空港懇談会に出席し、終了後に報道陣の取材に応じた。14日に自民党兵庫県連会長の末松信介参院議員が事実上辞職を求める発言をしたことに対し「一日一日の仕事をしっかりやっていくのが私の責任だ」と述べた。その他の質問には「明日(16日)の定例会見でお答えします」という回答を繰り返した。
キャプチャ2
涙をぬぐう7月末で引責辞任する片山安孝副知事
 
末松氏は神戸市内で開かれた県連大会で斎藤氏に「大きな、正しい決断をしていただきたい」と呼びかけていた。12日には最側近の片山安孝副知事が記者会見を開き「県政の停滞と混乱が続いた」などとして7月末で引責辞任する意向を表明するとともに、斎藤氏に計5回、辞職を進言したことを明らかにした。
疑惑を巡っては、パワハラや贈答品受け取りを指摘した文書を作成、配布し、停職3カ月の懲戒処分を受けた元県西播磨県民局長の男性(60)が7日に死亡。自殺とみられている。男性は文書の内容を調べる県議会の調査特別委員会(百条委員会)に向け、斎藤氏の疑惑を示す発言を記録した音声データや陳述書を残していたことが判明している。

兵庫県知事の疑惑 「パワハラ」の真相究明を(2024年7月14日『産経新聞』-「主張」)
 
 兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発した元県西播磨県民局長が死亡した。自殺とみられる。
 県議会では、告発文書の内容を調べる調査特別委員会(百条委員会)が開かれているさなかで、男性は次回の19日に証人として出席する予定だった。
 告発者の死亡という痛ましい事態に、県内外で波紋が広がっている。12日には県政の混乱や停滞を招いた責任を取るとして、片山安孝副知事が辞職の意向を表明した。
 議会には告発内容について真相を明らかにするとともに、立場の弱い告発者を守れなかったのはなぜか、徹底した調査と真摯(しんし)な議論を求めたい。
 発端は3月中旬、局長だった男性が告発文を報道機関や一部の県議に送ったことだった。職員に怒鳴るといった斎藤知事のパワハラや地元企業からの贈答品受け取りなど、7項目の疑惑について書かれていた。
 これを受けて斎藤知事は「事実無根」「噓八百」と強く否定し、男性に対し「公務員として失格」などと非難した。県は役職を解くとともに、3月末の予定だった退職を保留した。
 男性は今度は県の公益通報窓口に通報した。ところが県は内部の調査に基づき「核心的な部分が事実でない」とした上で、文書の中身は誹謗(ひぼう)中傷に当たるとして、3カ月停職の懲戒処分にした。
 こうした対応に、調査の中立性に疑問符をつける声が噴出、県議会は6月に百条委を設置した。問題は、客観的な調査が行われる前に、男性に対する懲戒処分が下されたことだ。
 公益通報者保護法では通報者への不利益な取り扱いを禁じ、その保護が義務付けられている。拙速な処分は妥当だったのか。公益通報制度を揺るがす事態ともなりかねない。
 片山副知事は斎藤知事の対応の悪さを批判し、知事に辞職を進言したことを明らかにしたが、知事は12日の会見で改めて自身の辞職を否定した。
 兵庫県議会での百条委は実に51年ぶりという。関係者らの出席を求め、まずは公正かつ慎重に調査を進めるべきだ。議論を重ね徹底した真相究明が求められよう。そうでなければ、県政に対する県民の信頼を回復することはできない。斎藤知事にも誠実な対応を望みたい。

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