阪神岡田監督700勝「久しぶりにいい流れ。どう明日に挑むか」 低調打線が12安打8得点(2024年6月27日『産経新聞』)

阪神―中日】監督通算700勝を達成し、記念のボードを掲げる阪神岡田彰布監督=27日、甲子園(松永渉平撮影)

阪神8-1中日(27日、甲子園)

湿っていた阪神打線が終盤につながり、8得点の快勝劇。史上20人目の監督通算700勝という新たな勲章を手にした岡田監督は「久しぶりにいい流れ」とうなずいた。

流れを呼び寄せたのは4番大山の一打だった。両軍無得点のまま迎えた七回、先頭の中野の二塁打を足掛かりに、無死一、三塁とし、大山が左前適時打。先発の梅津を降板させると、前川が適時二塁打、佐藤輝も2点適時打で続いて一気に4得点。八回にも森下の適時二塁打などで4点を追加し、ファンを沸かせた。

岡田監督はこの日、調子を落としていたリードオフマンの近本を先発メンバーから外した。不動のオーダーで日本一に輝いた昨季とは違い、今季は少しでも得点力を上げるために、頻繁に打順を入れ替えていて、苦悩の色もにじんでいる。

通算700勝については「全然忘れてましたけど」とそっけなかったが、3打点の佐藤輝は「もっと中軸で展開して勝ちたい」と貪欲に話した。久しぶりに頰を緩めた岡田監督も切り替えは早く、「どういう感じで明日に挑むか。きょうの勝ちはもう終わってるんやから」。リーグは混戦模様だけに、勝ってかぶとの緒を締めた。(嶋田知加子)