9回、中野が空振り三振に倒れ、戸郷にノーヒットノーランを許す(撮影・山口登)
9回、戸郷が中野から空振り三振を奪ってノーヒットノーラン達成(撮影・立川洋一郎)
6回裏の攻撃が終わり、選手交代を告げにベンチを出る岡田監督。左は空振り三振して引き揚げる近本(撮影・立川洋一郎)
打線は三回まで9つのアウトの内8つがフライアウトとことごとく打球を打ち上げた。相手の2失策で出塁したものの、得点圏に走者を置く場面が訪れたのは九回。1死二塁の好機を作り、阪神ファンから大声援が送られたが、近本と中野が凡退し、聖地のボルテージは急降下した。
三回には及川が投手前へのゴロで一塁セーフとなったが、記録は戸郷の悪送球。五回も糸原の一ゴロがわずかにイレギュラーする打球で岡本和がはじいたが、記録は失策となった。2度の「E」ランプに甲子園がどよめいた。
阪神がノーヒットノーランを食らうのは2019年9月14日・中日戦での大野以来5年ぶりで2リーグ分立後は7度目。甲子園では1965年10月2日の広島・外木場以来59年ぶりとなった。甲子園の巨人戦に限れば、沢村栄治に喫して以来88年ぶりの屈辱となった。
先発・及川は不完全燃焼の形で降板した。四回まで無失点も、五回に泉口に先制の左前打を浴びた。次打者の初球にボールを投じた後に、左手を気にする様子を見せて安藤投手コーチがマウンドへ。治療の後に再び投球練習を行ったものの、そのまま降板。4回2/3を4安打1失点、球数70球でマウンドを降りた。