【裏金問題】近大・世耕弘成理事長の辞任求める署名「5万人以上集まって、私たちの常識はズレていなかった」会見した教員ら「近畿大学が受け取らない」と問題視(2024年6月20日『MBSニュース』)

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MBSニュース
20日近畿大学の教職員ら有志が会見を開き、自民党の裏金問題に関わった世耕弘成氏の理事長辞任を求める署名を、大学側が受け取らないことを明
らかにしました。
「理事長職を辞すべきではないのかという常識を持つ方が私の周りにたくさんいた。この呼びかけが、近畿大学の中から、働いている者の声が中心になって最初に発するべきである。」「私たちは教員であるが、教員が呼びかけをしないといけない、そういう使命感にかられて今回呼びかけをしたら、なんと5万人以上の声が集まって、やはり私たちの常識はズレていなかったのだなと感じた」(近畿大学 阪本洋三教授)
回答は「大学としては署名は受け取らない」
会見した近大教職員ら有志は今年4月、近大の理事長で、裏金問題を
ぐって自民党から離党した世耕弘成参院議員について、理事長としての責任感が欠如しているなどとして辞任を求める署名活動を行い、合計5万人以上の署名が集まったと説明しました。
その後有志らは、理事などに署名の受け取りを申し入れましたが、大学側の顧問弁護士から「大学としては署名は受け取らない」「理由は開示しない」と回答があったということです。
「すごくつらい、すごく残念、すごく遺憾であると言わざるをえません」「流石にこういう声があるということを受け取らない、聞かないということではなくて、聞くということから始めていただきたい、対話を始めていただきたい」(近畿大学 阪本洋三教授)
有志らは今後も署名を手渡しできるように交渉をすすめたい方針です。
いっぽう近畿大学は「(活動は学外で開催されていて、大学としてはそれを承知していなく)本件に関わるコメントは差し控える」としています。
 

世耕議員に大学理事長「辞任」求め5万人以上の署名 大学側は受け取り拒否「真摯に受けとめて」と教授ら(2024年6月20日『関西テレビ』)
 
政治資金問題で、自民党を離党した世耕弘成議員に、近畿大学の理事長を辞任するよう求めて、教授らが会見を開きました。
自民党参議院幹事長だった世耕弘成議員は、おととしまでの5年間で、派閥からのキックバック総額1542万円を収支報告書に記載しなかったとして、「離党勧告」を受け、離党しました。
これを受け、世耕議員が理事長を務める近畿大学の教職員らが、辞任を求める5万人以上の署名を集め、大学に提出しようとしたものの、大学側は受け取りを拒否しています。
近畿大学文芸学部 阪本洋三教授】「一番大きな問題は(署名を)理事長側が受け取らないと言ったこと。多くの良識のある方々の声を、世耕理事長には真摯に受け止めて、聞いていただきたい」
教職員らは、引き続き署名を受け取るよう理事長側に求めていきたいとしています。
 

安倍派パーティー券問題 世耕氏の近大理事長辞任求める 近大教職員会見 「示しをつけてもらわないと」(2024年6月20日『ABCニュース』)
 
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 派閥の裏金問題で離党勧告処分を受けた世耕弘成氏が理事長を務める近畿大学の教職員らが、理事長辞任を求め会見を開きました。
 世耕弘成前自民参院幹事長は安倍派のパーティー券問題で4月に離党勧告を受け、自民党を離党しました。
 この問題を巡り近大の教職員有志らは、5月までの約2ヵ月間、オンライン署名サイトで理事長辞任を求める署名を呼びかけ5万筆以上が集まったと発表しました。
近畿大学文芸学部・藤巻和宏教授)
「教育研究機関のトップでもある人ですから、示しをつけてもらわないと」
 近畿大学の理事会は署名を受け取らないと回答していて、教職員の有志らは受けとるよう交渉を続ける方針です。

この署名で変えたいこと
署名の発信者 近畿大学 教職員有志
私たち近畿大学教職員有志は、世耕弘成氏に学校法人近畿大学理事長の辞任を求めます。
近畿大学は、「実学教育と人格の陶冶」を建学の精神、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人を育成すること」を教育目的として、世耕弘一氏が創設しました。弘一氏は、「不正を働かないから強いのだ」「自分の言動に対して責任を持ち、言ったことは必ず実行するように努力する」という言葉を遺しています。
世耕弘成氏はその孫にあたり、理事長職を世襲しています。
しかし、世耕氏の政治家としての振る舞いは、果たしてこうした建学の精神・教育目的に適っているでしょうか? そして、近畿大学で学ぶ学生や、働く教職員に対し、理事長としてこれらの言葉を堂々と伝えられるでしょうか?
昨冬より報道されているとおり、参議院議員である世耕弘成氏は政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑の渦中にあります。自民党安倍派の「5人衆」として派閥の指導的立場にあった世耕氏は、裏金問題を解明する情報に接することのできる重要な立場にいながら、すべて秘書に責任転嫁をし、本人は今に至るまで、知らぬ存ぜぬという態度を貫いています。
当初、裏金問題に自身がどう関わっていたのかについて何も語らず、「けじめがついて節目があれば説明責任を果たしたい」と述べるのみでしたが、東京地検特捜部が安倍派幹部を不起訴とした途端、一転して饒舌に語り出しました。
しかし、その内容はすべて秘書がやったとしたうえで、「私は起訴の対象にならなかった。法的な責任については一つの区切りがついたと思う。政治的、道義的責任は痛感している」という無責任なものでした。
要するに、法的責任を免れて安全圏に身を置き、口先だけで「責任」に言及しているに過ぎません。
そもそも、秘書が議員の指示や許可なしに勝手に巨額の裏金を作ることが可能なのか? 秘書にそれを実行するメリットがあるのか? 信じがたい弁明です。仮に、「秘書が勝手にやった」というのが真実であったとしても、当然その監督責任は世耕議員にあり、議員が自身の政治資金を把握できていなかったということ自体、政治家としての資質に欠けるといえるでしょう。
そして3月14日の参議院政治倫理審査会でも、その態度は変わりませんでした。調べるべきことも調べずに、「知らない」「わからない」「記憶にない」。政治家として、派閥の幹部として、その責任を果たしていないことに対し、野党のみならず、与党あるいは同派閥の議員からも批判の声が上がりました。多くの国民は、この無責任な答弁に呆れ果てています。
政倫審で何も明らかにならなかったのですから、事実解明のため証人喚問に応ずるべきです。世耕議員は、2010年の陸山会事件に際し「証人喚問は当然」と述べているのですから、今回は当事者として自身が応ずるのは当然の流れでしょう。
これに加え、有権者への高級洋菓子の贈与、贈与相手の企業を「重点支援」対象に選定、あるいは新旧秘書による過激パーティーの開催等々、世耕議員をめぐる疑惑と不祥事は枚挙にいとまがありません。
こうした政治家としての不誠実な態度は、本学理事長としての不信につながります。
国民の負託に応えるべき政治家としての責任を放棄し、都合のよいことしか話さない人物が、理事長として「人格の陶冶」を語れるでしょうか? 自分自身が、「愛される人、信頼される人、尊敬される人」たり得ているでしょうか?
世耕理事長体制下の近畿大学では、これまでも労基法違反、労組法違反、研究不正等々、さまざまな問題が起こっていましたが、責任者の処分をしない、あるいは軽い処分で済ませるという「上に甘く、下に厳しい」対応により、再発防止策が十分に機能せず、ガバナンス不全に陥っています。
その一方で、落選した自民党議員に教授のポストを与え、元首相を卒業式のゲストに招く等、自身の政治活動に近畿大学を利用してきました。こうした行為は、理事長による大学の私物化にほかならず、学校の公共性を規定する教育基本法第6条と私立学校法第1条、および政治的中立性を規定した教育基本法第14条第2項にも抵触します。政治家としても、学校法人理事長としても、著しく資質に欠けていると言わざるを得ません。
裏金問題の報道以降、近畿大学は「なぜあのような人物を理事長にしておくのだ」といった社会的な批判を受け続けており、そこで働く教職員は、学生や保護者、多くの関係者に申し訳ないという思いを抱いています。そして、「理事会や大学上層部は何をやっているのか」「早く理事長に辞任を迫ってほしい」と考えながらも、何もできない自分たちを情けなく思ってもいます。
唯一、近畿大学職員組合が声を上げ、世耕理事長の辞任を2回要求しました。しかし、学校法人近畿大学は「経営マターである」という理由で(つまり、労使交渉の対象ではないとして)それを却下しました。
私たちは、それでも諦めません。辞任するべきだと考える教職員は、教職員組合だけでなく、組合未加入者の中にもいます。このたび、そのように考える教職員有志として、この署名を立ち上げました。
近畿大学や附属学校、附属病院の関係者、卒業生、また私たちの活動にご賛同いただける学外の方々。この署名を通し、ぜひみなさまの力を貸してください。近畿大学が学術機関としての社会的責任を果たせるよう、現体制を変えていきましょう。
どなたでも安心して署名していただけるよう、署名簿提出の際は、理事長・理事会に賛同者の名前を明らかにしない形で行います。また、仮名や匿名での署名も歓迎します。
呼びかけ人:近畿大学教職員有志
代表(五十音順):阪本洋三(文芸学部教授)、藤巻和宏(文芸学部教授)