裏金事件を巡り、「離党勧告」や「党員資格停止」「党の役職停止」といった処分を下された安倍派幹部たちが慌てふためいている。次の国政選挙での当選が危ういからか、この週末に早速、“お詫び行脚”を開始。ところが、無反省な態度に地元からは批判が噴出し、完全に裏目となっている。
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最も悪目立ちしているのは、離党勧告を受けた世耕前参院幹事長だ。理事長を務める近畿大学で6日に行われた入学式に登壇。約8000人の新入生を前に「変化の激しい社会における自分の立ち位置をしっかり把握して……」などと挨拶した。
不祥事で地位を追われた人物に「立ち位置を把握して」と言われた学生たちの心中は察するに余りある。さすがに、テレビ大阪の取材に複数の学生が「イメージダウンではあります」「卒業後に就職とかに影響するのは嫌」と不安を漏らしていた。
さらに、近大教職員からは「反世耕」の声が上がっている。教職員有志が先月末から「#世耕弘成理事長の辞任を求めます」と銘打ったオンライン署名活動を開始。7日夜時点で4万筆を超えた。
ここまで批判されても、世耕氏に身を引く様子はない。むしろ、参院から衆院への鞍替えを画策。次期衆院選では、無所属出馬を強行する気でいるらしい。
「参院和歌山が選挙区の世耕さんは、もともと総理を目指すと公言し、和歌山県内の衆院選挙区への鞍替えを狙っていた。そんな世耕さんの動きを、犬猿の仲の二階元幹事長が抑えてきた。ところが、二階さんが次の衆院選での不出馬を表明。世耕さんはこの機に乗じて、次の衆院選は二階さんの選挙区である和歌山2区から出馬するつもりのようです。処分が正式決定する直前に2区内の自治体の首長に『無所属で衆院の方に出る』と連絡しています」(官邸事情通)
ところが、世耕氏のこの画策に地元有権者から「理解できない」といったブーイングが飛んでいるという。
下村元文科相と西村前経産相も地元での活動をアピ―ル
蠢いているのは世耕氏だけじゃない。1年間の「党員資格停止」処分を科された下村元文科相と西村前経産相は、この週末に地元で“お詫び行脚”。1年間の「党の役職停止」処分となった萩生田前政調会長も5日のブログに〈心機一転頑張りますので、引き続きのご指導をお願い申し上げます〉と記し、せっせと地元での活動の様子を紹介している。
「下村さんは3月下旬に地元の東京・板橋区の祭りで挨拶。参加者は『えっ、なんで出てきたの……』と絶句していました。西村さんは〈初心にかえり、再出発〉などと記されたビラを地元の兵庫県明石市内で配布。ところが、有権者から『再出発の前に、まだ説明が足りていない』という批判が上がっている。萩生田さんに至っては、安倍派幹部でただ一人だけ政治倫理審査会に出席していないこともあり、選挙区の東京・八王子市内の自民党支持者に『よく表に出てこられるよなぁ』と呆れられています」(政界関係者)
再起を狙って焦っているのだろうが、“お詫び行脚”は完全に裏目。次の衆院選は軒並み“討ち死に”濃厚だ。