県警が聴覚障害者への理解深める研修会(2024年6月18日『東奥日報』)

 

参加者に簡単な手話を教える浅利理事・事務局長

 4月1日の改正障害者差別解消法施行を受け、青森県警は17日、聴覚障害者を講師に招いた初めての「聴覚障がい者に対する合理的配慮への理解を深める研修会」を青森市の県警察学校で開いた。参加者はろう者の思いや望みを聞き、理解を深めた。
 聴覚障害者に対する理解促進と合理的配慮の意識付けなどを目的に開催。県警本部の警部級以上44人と県警察学校初任補修科生34人が出席。県内全17署の警部級以上20人はリモートで参加した。
 県ろうあ協会の浅利義弘理事・事務局長が講師を務め▽取り調べ時に分かりやすい言い方に変えてほしい▽事故現場で聞こえる人の話を優先し、ろう者の話を聞いてもらえない-と、ろう者の困り事など全国の例を紹介。聞こえない、聞こえにくくなった時期などによって得意とするコミュニケーション手段が異なるため、本人が望む意思疎通の手段を確認する必要性を訴えた。
 機動隊の三上元之隊長補佐は「障害を持つ方が警察の対応にバリアを感じることがないように実態を知って、何をしなければいけないのかを常に考えて業務に向かわなければいけないと感じた」と話した。
 県警は今後、手話通訳の能力がある警察官を手話通訳官に指定する予定。