出生率「4・0」で29年連続最下位…秋田県で進む全国最悪ペースの人口減少(2024年6月10日『読売新聞』)

 厚生労働省が5日に発表した2023年の人口動態統計(概数)で、秋田県出生率(人口1000人あたりの出生者数)が4・0となり、29年連続で全国最下位となった。婚姻率や死亡率もワーストで、全国最悪のペースで進行する人口減少に歯止めがかからない状況が改めて示された。一方、前年は全国ワーストだった自殺率は改善に転じた。
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 統計によると、23年の1年間に生まれた子どもの数(出生数)は3611人(前年比381人減)で過去最少を更新。死亡数は1万7518人(前年比262人増)だった。
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 出生数から死亡数を差し引いた人口の自然減は1万3907人。出生率から死亡率を差し引いた自然増減率もマイナス15・3(全国平均マイナス7・0)で、31年連続で自然減が続いた。
 1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数「合計特殊出生率」も1・10で過去最低を記録。婚姻数も前年比145組減の2302組で、婚姻率(人口1000人あたりの婚姻数)は同0・1ポイント減の2・5で、24年連続全国最下位だった。
 人口減に歯止めがかからない状況に、佐竹知事は「本県では近年、社会減少数が縮小傾向にあるなど、明るい兆しも見え始めている。こうした流れを確実なものとするため、若者の更なる県内定着・回帰を促進していく」との談話を発表した。
 一方、人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺率は、全国ワーストとなった前年から3・2ポイント減少し、19・4(全国平均17・3)。2年ぶりに最下位を脱したが、県の担当者は「依然として自殺死亡率が高い状況が続いており、引き続き年代や原因などに応じた対策に取り組む」とした。
 このほか、疾患関連では、がんや脳血管疾患が死因別の死亡率で全国1位だった。
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