東京都知事選へ出馬明言しない小池氏「行政は継続してこそ力なり」…蓮舫氏は都議会野党会派にあいさつ回り(2024年5月30日『読売新聞』)

 

 東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に立候補する意向を固めている小池百合子知事(71)は、29日開会の都議会定例会で所信表明を行ったが、出馬を明言しなかった。一方、27日に出馬表明した立憲民主党蓮舫参院議員(56)は野党系各会派へのあいさつ回りのため、都議会を訪れ、熱心に支援を訴えた。

野党系各会派にあいさつ回りをする蓮舫氏(左)と、東京都議会で所信表明演説を行う小池知事(いずれも29日午後、東京都新宿区で)=いずれも野口哲司撮影
野党系各会派にあいさつ回りをする蓮舫氏(左)と、東京都議会で所信表明演説を行う小池知事(いずれも29日午後、東京都新宿区で)=いずれも野口哲司撮影

 小池氏は所信表明で、海外から投資を呼び込むための環境整備や子育て支援策の充実を挙げ、「都政を加速させていく」と決意を示したが、知事選への言及はなかった。しかし、議会後の取材には、「行政は『継続してこそ力なり』だ」と述べ、3選への意欲をにじませた。

 28日には都内の区市町村長の有志や都議会公明党などから3選出馬を要請された小池氏。都関係者によると、小池氏は当初、要請を受けた直後の所信表明のタイミングで、出馬表明することを検討していた。小池氏側近の一人は表明見送りについて、「最適な時期を見極めているのだろう」と話した。

 一方、蓮舫氏はこの日の議会終了後に野党系各会派の控室を訪問。立民都議を前に「一緒に汗をかいていきたい」と呼びかけると、大きな拍手がわき起こった。共産党の控室でも歓迎を受け、花束を手渡された。

 あいさつ回りを終えた蓮舫氏は取材に「挑戦しているという実感がじわじわ湧いてくる」と語った。小池氏の所信表明については、「各局から上がってきたものをつないだ原稿。熱がないと思った」と手厳しく批判した。