◆子どもの頃いじめに遭って東京へ脱出
小田原市との協定を喜ぶ富野監督
連携事業は
(1)監督の言葉を若者へ届け、活躍へつなぐ
(2)観光振興
(3)監督の講演や作品上映会などの文化振興
の3つが柱。富野作品に込められた普遍的なテーマ、メッセージを小田原から発信し、国内外から多くの人に来てもらい、小田原のブランド力を高めていく。
(1)監督の言葉を若者へ届け、活躍へつなぐ
(2)観光振興
(3)監督の講演や作品上映会などの文化振興
の3つが柱。富野作品に込められた普遍的なテーマ、メッセージを小田原から発信し、国内外から多くの人に来てもらい、小田原のブランド力を高めていく。
富野監督によると、子ども時代を過ごした小田原でいじめに遭い、東京へ脱出したという。記者会見で「同級生たちはいじめた意識を持っていないし、覚えてもいないが、いじめられた方は覚えている」と話し、「自分は東京へ行くのが限度だったが、小田原を好きな若者には一度は小田原を出て、できれば20代で世界一周旅行をしてほしい。他の目線でも比較し『これだけ違う』と知る学びは大きい」と呼びかけた。
◆階段、フラッグ、マンホール…街にあふれるガンダム
市は2021年、富野監督を小田原ふるさと大使に任命。バンダイナムコグループ「ガンダムマンホールプロジェクト」第1号となり、寄贈された2種の小田原独自のデザイン蓋(ふた)を市内に設置、原付きバイクのご当地ナンバープレートも交付してきた。本年度は9月末まで、小田原駅周辺の商店街で富野監督の写真やアニメのキャラクターをあしらったバナーフラッグを掲出している。
商店街に掲げられたバナーフラッグ=いずれも小田原市で
ほかに、小田原駅地下街の階段5カ所にガンダムなどを描いた階段アートを民間主導で21年に設置。市民有志は昨秋から、富野監督を顕彰するミュージアム設置を求める署名活動を始めた。今春オープンした小田原シネマ館は監督作品を順次上映しており、ガンダムの力を待望する空気は民間へも広がる。
ガンダムアートの階段
富野監督は、観光や地域振興に「個人的にはガンダムを出してほしくない」と明かしつつも、今回の協定には「出身地から声をかけられうれしい。82歳の年齢を考えると最後の仕事になるのかもと思う。若者へ伝えられる場、いい機会を頂いた」と歓迎している。