名古屋聾(ろう)学校(名古屋市千種区)の生徒が、式典の際に胸に着ける花「胸花」を折れた木製バットから作った。1日に同市瑞穂区パロマ瑞穂野球場である愛知大学野球連盟春季リーグの閉会式で役員が身に着ける。 (山野舞子)

 作ったのは高等部専攻科インテリア科1年の中西大翔(ひろと)さん(19)、松山正徳さん(18)、羽田輝星(きらら)さん(18)、望月秀都(しゅうと)さん(18)の4人で、同連盟から譲り受けたバットを使った。生徒たちはバットをかんなで薄く削ったものを、結ってバラの形にした。リボン部分もバットの木を使い、絵の具で赤く色づけた。

 4月中旬から作業を進め、20個を完成させた。中西さんは「花びらの形をきれいに作るのが難しかった」と話した。閉会式には生徒も参加し、役員らに記念品とともに手渡す。

 同校では以前から折れたバットの再利用に取り組んでおり、同連盟のバットは2年ほど前から提供を受ける。これまでにいすやコンサート用の指揮棒などを制作し、各地に寄付してきた。同科の伊藤泰弘教諭(58)は「今後もさらに活動範囲を広げていきたい」と話した。