2025年大阪・関西万博に小中校生らを無料招待する大阪府の事業を巡り、意向調査の途中集計で約75%の学校が参加希望だったとした吉村洋文知事の発言について、同府交野市の山本景市長は30日、調査の選択肢が「希望する」と「未定・検討中」しかなく、「『未定・検討中』を選ぶと府教育庁から問い合わせがある。(府側との関係上、学校は)『希望する』を選択せざるを得ず、75%との情報発信は誤解を招き、事実とも異なる」と批判した。市役所で記者団に述べた。
事業は府在住の小中高生と4、5歳計約100万人が対象で学校行事での来場が前提。府教育庁は府内約1900校に対し、参加の意向を5月末までに回答するよう求めている。
吉村氏は今月27日、同24日時点で回答があった約1280校のうち、約950校が来場を「希望する」だったと発表した。約330校は「未定・検討中」と回答。6月上旬にも全体集計の結果を公表する方針だ。
これに対し、山本氏は「未回答の学校を除いた75%」と指摘。「(学校単位での参加は)事実上の強制であり、調査は踏み絵で、破綻している」とも述べた。
その上で、万博の見学は学校行事としてではなく、希望制にし、子供と保護者の入場料と交通費を府側が負担するのが望ましいとの考えを示した。
山本氏は今月24日、市内の全小中13校について「行きたい学校はなかった」とし、学校単位での参加は見送る意向だと明らかにした。理由を交通手段の確保が難しく、貸し切りバスを確保できても、財政上、子供1人当たり5千円の費用負担を求めることになるため、などとしている。