東京都の小池百合子知事(71)が、任期満了に伴う都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に3選を目指して立候補する方針を固めたことが関係者への取材で判明した。29日に開会する都議会定例会の会期中に表明する方向という。
都知事選を巡っては、自民党が既に独自候補擁立を見送る方針を決め、公明党とともに小池氏との連携を模索している。小池氏が特別顧問を務める都議会第2会派の地域政党「都民ファーストの会」も小池氏を支援する方針だ。
これに対し、立憲民主党と共産党は「野党統一候補」の擁立に向けて検討を進めており、知事選では小池氏の2期8年の都政運営に対する評価が主な争点となりそうだ。
小池氏はこれまで3選出馬について、記者会見で「現職として目下の課題にしっかり取り組んでいる。それ以上でもそれ以下でもない」と述べ、態度を明らかにしてこなかった。しかし、戸建て住宅への太陽光発電設置義務化といった脱炭素政策や、少子高齢化対策などをさらに進める必要性から3期目に臨むことを決断したとみられる。
複数の関係者によると、小池氏の出馬表明に先立ち、都内の区市町村長ら首長有志が近く小池氏に立候補を要請する予定という。
小池氏は自民党衆院議員として環境相や防衛相を歴任し、2016年の都知事選で主要政党の推薦候補を破って初当選。女性初の都知事に就任した。新型コロナウイルス感染拡大のさなかに行われた20年の知事選では歴代2位の約366万票を得て再選を決めた。2期目はコロナ対応や、1年延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催などに取り組んだ。
立憲、共産両党は明治神宮外苑地区の再開発などを巡って都議会で小池氏への対決姿勢を強めており、2月から統一候補の擁立に向けて協議を続けている。2期目に自公と共同歩調を取ってきた小池氏に対抗することで、次期衆院選での政権交代に向けた一歩としたい考えだ。