自民、都知事選で小池百合子氏と連携模索…「不戦敗」回避へ(2024年5月29日『読売新聞』)

キャプチャ
 東京都知事選(7月7日投開票)を巡り、自民党は現職・小池百合子知事との連携を実現して勝利し、「不戦敗」を避けたい考えだ。
小池氏側は知事選が与野党対決の構図となることを警戒し、自民との距離感を慎重に見極めている。

 

 

 自民には都知事選で有力な候補者はおらず、独自候補の擁立は見送る方向で、3選を目指して出馬する意向の小池氏の支援を検討している。森山総務会長は28日の記者会見で、「非常に大事な選挙だ。党都連の対応をしっかり見守っていく」と述べた。
 自民都連関係者は「小池氏にとっても自民の組織力はメリットが大きいはずだ」と期待を寄せる。
 ただ、小池氏は微妙な立場に立っている。立憲民主党蓮舫参院議員が27日、「反自民政治、非小池都政」を掲げて都知事選への出馬を表明したためだ。
 小池氏には、自民の支援を表立って受ければ、与野党対決に持ち込むことを狙う蓮舫氏の戦略にはまってしまうとの危機感があるとみられる。自民を巡っては、派閥の政治資金規正法違反事件で世論の逆風は強く、「一体化している」との批判はダメージが大きいとの読みもありそうだ。
 小池氏は28日、都庁で都議会自民党の幹部と面会したが、「これからも一緒にやりましょう」と述べるにとどめた。都議会公明党の東村邦浩幹事長は「3期目にぜひ挑戦し、出来るだけ早く表明してもらいたい」と要請したが、「しっかり受け止めていきたい」と応じ、出馬の明言は避けた。
 公明党は、都議会で良好な関係を築く小池氏を支援することが基本路線となっている。ただ、公明内にも、与党の足並みが乱れることを懸念し、「推薦するかどうかは自民と歩調を合わせるべきだ」(党幹部)との声が出ている。
 一方、立民は蓮舫氏を全面的に支援し、衆院補欠選挙静岡県知事選に続いて、首都決戦を制し、次期衆院選での躍進につなげたい考えだ。立民の岡田幹事長は28日の記者会見で「(蓮舫氏を)全力で後押ししていきたい」と強調した。