【40歳代・50歳代・60歳代】夫婦世帯の貯蓄額一覧表!年金受給額(目安)もチェック(2024年5月10日『LIMO』)

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写真:LIMO [リーモ]
老後に向けて、周りの世帯がどれくらい貯蓄しているのか気になる人も多いかもしれません。
 
また、1つの指標である「2000万円」の貯蓄がある世帯はどれくらいあるのでしょうか。
本記事では、40~60歳代夫婦の貯蓄額を紹介します。
2000万円あれば老後生活を送れるのかもシミュレーションするので、ぜひ参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
40歳代夫婦の貯蓄額はどれくらいか
さっそく、40~60歳代夫婦の貯蓄額を確認しましょう。まずは40歳代から。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると40歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。
●40歳代二人以上世帯の金融資産保有
 ・非保有:26.8%
 ・100万円未満:9.6%
 ・100~200万円未満:8.9%
 ・200~300万円未満:4.9%
 ・300~400万円未満:5.7%
 ・400~500万円未満:3.8%
 ・500~700万円未満:7.4%
 ・700~1000万円未満:5.6%
 ・1000~1500万円未満:7.4%
 ・1500~2000万円未満:3.5%
 ・2000~3000万円未満:5.3%
 ・3000万円以上:6.5%
 ・無回答:4.5%
 ・平均値:889万円
 ・中央値:220万円
貯蓄額の平均は889万円、中央値は220万円です。半分以上の世帯は貯蓄額が220万円以下であることを考えると、多くの世帯では充分な貯蓄がないことがわかります。
一方で、貯蓄が3000万円以上ある世帯も6.5%いるため、世帯による貯蓄額の差は大きいです。
次章で50歳代夫婦の貯蓄額も見ていきましょう。
50歳代夫婦の貯蓄額はどれくらいか
次に、50歳代夫婦の貯蓄額を確認します。「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
●50歳代二人以上世帯の金融資産保有
 ・非保有:27.4%
 ・100万円未満:9.1%
 ・100~200万円未満:6.4%
 ・200~300万円未満:3.8%
 ・300~400万円未満:3.9%
 ・400~500万円未満:3.8%
 ・500~700万円未満:5.6%
 ・700~1000万円未満:5.5%
 ・1000~1500万円未満:8.9%
 ・1500~2000万円未満:4.2%
 ・2000~3000万円未満:5.4%
 ・3000万円以上:11.2%
 ・無回答:4.8%
 ・平均値:1147万円
 ・中央値:300万円
平均値・中央値ともに、40歳代夫婦より金額は増えています。
ただし、貯蓄ゼロの世帯の割合は40歳代と同水準です。そのため、40歳代で貯蓄ができていなかった世帯の多くは50歳代になっても貯蓄ができていないことがわかります。
60歳代夫婦の貯蓄額はどれくらいか
最後に、60歳代の貯蓄額を確認します。「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、60歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
●60歳代二人以上世帯の金融資産保有
 ・非保有:21.0%
 ・100万円未満:5.9%
 ・100~200万円未満:4.5%
 ・200~300万円未満:4.3%
 ・300~400万円未満:3.0%
 ・400~500万円未満:1.9%
 ・500~700万円未満:7.2%
 ・700~1000万円未満:6.7%
 ・1000~1500万円未満:6.8%
 ・1500~2000万円未満:5.4%
 ・2000~3000万円未満:9.5%
 ・3000万円以上:20.5%
 ・無回答:3.2%
 ・平均値:2026万円
 ・中央値:700万円
平均値・中央値ともに40歳代・50歳代世帯と比べて大きく増加しています。
これは、退職金の受給により貯蓄額が大きく増えたことが予想されます。自身の貯蓄額を周りと比較する際の参考にしてみてください。
40~60歳代夫婦の貯蓄額を確認しましたが、1つの目安とされることも多い「老後2000万円」を用意すれば老後生活は安泰なのでしょうか。
次章では、老後にどれくらい不足額が出るのかを、「平均的な老後の家計収支一覧表」と「平均年収ごとの目安年金受給額」より確認していきます。
老後2000万円あれば暮らせるのか
総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の平均支出は月額28万2497円です。
ただし、老後の支出全てを貯蓄で賄う必要はありません。老後は年金をもらえます。以下の条件で、現役時代の平均年収別にもらえる年金額をシミュレーションしてみましょう。
 ・1975年生まれ
 ・23~64歳まで会社員として勤務
 ・65歳から年金受取を開始
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
●平均年収ごとの目安年金受給額(額面)
平均年収 年金受給額の目安(額面)
 ・200万円 月10万5000円
 ・300万円 月12万5000円
 ・400万円 月14万円
 ・500万円 月16万円
 ・600万円 月18万円
 ・700万円 月19万5000円
 ・800万円 月21万1000円
 ・900万円 月23万3000円
 ・1000万円 月23万5000円
また、会社員や公務員の経験がない国民年金受給者がもらえる年金は月額6万6250円です。
例えば、夫が平均年収500万円の会社員で妻が会社員経験のない専業主婦の場合、夫婦合計でもらえる年金額は月に約22万6000円となります。月額の平均支出は28万2497円のため、毎月5万6000円・年間にすると約67万円の赤字です。
老後生活が20年間続くとすると1340万円、25年間続くとすると1675万円が年金とは別に必要となります。そのため、この例では老後2000万円あれば老後生活を送ることが可能です。
老後に向けた準備を始めよう
本記事では、40~60歳代夫婦の貯蓄額と老後2000万円あれば老後生活を送れるのかについてシミュレーションしました。
ただし、老後に向けて必要な貯蓄額は世帯によって異なります。そのため、まずは自分の世帯が老後に受け取る年金額と支出額などをシミュレーションして、いくらの老後資金が必要なのか知ることから始めてみてください。
参考資料
 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
 ・厚生労働省公的年金シミュレーター」
 ・総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」
苛原 寛