2024年3月19日、日銀がマイナス金利政策解除を決定したことを受け、メガバンクを中心に預金金利引上げの動きが見られます。
【円グラフ・一覧表】「50歳代・二人以上世帯の貯蓄額」&「厚生年金と国民年金」の受給権者数を1万円刻みで見る!(出所:厚労省など)
しかし、普通預金金利は20倍アップしても0.02%程度。定期預金金利が年5~6%もあった時代は、もう訪れないのかもしれません。
効率良く資産を蓄えていくためには、預貯金以外でご自身に合う方法を見つけていく必要があるでしょう。
年金不安が囁かれる中、現役世代の人たちは日々の生活をやりくりしながら、老後資金の準備がマストとなっています。
しかし、思うように貯蓄が進まない世帯が多いのが現状のようです。
今回は、老後が目前に迫りつつある50歳代の貯蓄事情を覗いていきます。
また、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額も確認しますので、ご自身の生活費と照らし合わせながら年金生活を想像してみましょう。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
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【50歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロ(非保有)は何パーセント?
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の世帯は何パーセントいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
●【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
・24.4%
●【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
・平均:1253万円
・中央値:350万円
●【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】
・金融資産非保有:24.4%
・100万円未満:9.3%
・100~200万円未満:5.8%
・200~300万円未満:4.2%
・300~400万円未満:5.1%
・400~500万円未満:3.2%
・500~700万円未満:5.0%
・700~1000万円未満:5.7%
・1000~1500万円未満:8.8%
・1500~2000万円未満:6.0%
・2000~3000万円未満:7.2%
・3000万円以上:10.8%
少しでも老後資金を多く確保できるようラストスパートをかけたい50歳代ですが、思うように貯蓄が進まない世帯が多いことが分かります。
ある程度まとまった退職金が期待できるため積極的に貯蓄をしていない世帯もあるかもしれません。
そもそも、老後資金としていくら準備すればよいのでしょうか。
目標額を定める上で把握すべきなのが、年金の受給額です。
老後は一般的に公的年金を収入の柱として生活することになるでしょう。
年金収入だけで不足する場合には、貯蓄を取り崩して補填していくことになるため、「自分は将来、年金をどのくらい受け取れるのか」を把握しておく必要があるのです。
では、年金はいったいどのくらい受け取れるのか。現在のシニア世代の年金事情を覗いていきましょう。
【厚生年金と国民年金】平均月額はいくらか
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額を見ていきましょう。
●厚生年金の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:14万3973円
・〈男性〉平均年金月額:16万3875円
・〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
●国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:5万6316円
・〈男性〉平均年金月額:5万8798円
・〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。
現役時代、自営業者などで厚生年金に加入したことがない方は、老後に国民年金のみを受け取ります。
会社員や公務員などは国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入するため、老後は国民年金+厚生年金を受け取ることになります。
厚生年金額は、年金加入期間と給与や賞与などの報酬により決定する保険料に応じて算出される仕組みです。
厚生年金に加入して働く期間が長ければ長いほど、また、年収が高ければ高いほど(上限あり)年金額が高くなります。
ここまで現在のシニア世代の年金受給額の平均月額を見てきました。
しかし、年金額は個人差があるものです。
ご自身の年金見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しておきましょう。
年金に頼らない老後計画を
これまで50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情と年金月額を確認してきました。
50歳代といえば、まだ住宅ローンの返済や、お子様がいるご家庭では教育費もあり、何かと出費が多い年代でもあります。
加えて物価高が続き、思うように貯蓄ができない世帯は少なくないでしょう。
しかし、本記事で確認したように、年金収入は決して十分とはいえません。
少子高齢化の現代では、今後年金額が下がる可能性もあります。
これを機に、預貯金や資産運用、仕事による収入など、自身に合った老後対策について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」