伊藤環境相が直接謝罪 水俣病団体のマイク遮断で 熊本(2024年5月8日『時事通信』)
 
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水俣病の被害者団体に謝罪する伊藤信太郎環境相(右)=8日午後、熊本県水俣市
 環境省職員が水俣病の被害者団体との懇談でマイクを切り、参加者の発言を妨げた問題で、伊藤信太郎環境相は8日、熊本県水俣市を訪れて関係団体と発言者に面会し、「心からおわび申し上げる。深く反省しており誠に申し訳ない」と直接謝罪した。
 これに先立ち、伊藤氏は同日、環境省で記者団の取材に応じ、和田篤也事務次官と神ノ田昌博環境保健部長を厳重注意したと説明。「大変遺憾で、発言されていた方に申し訳ない。省の責任者である私自身が出向いて謝罪することが必要だと判断した」と話した。
 
マイク切り「人の道に反する」 野党、環境省を一斉批判―水俣病(2024年5月8日『時事通信』)
 
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水俣病の被害者団体との懇談後、マイクの音が途切れたことを釈明する環境省職員(奥中央)=1日、熊本県水俣市
 環境省水俣病の被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談会でマイクを切るなどして団体側の発言を遮った問題で、野党は8日、「人の道に反する」(立憲民主党安住淳国対委員長)などと伊藤氏や環境省を一斉に批判した。後半国会で追及を強める構えだ。  

 

 

 安住氏は国会内で記者団に対し、前身の環境庁が創設されたのは公害対応のためだったとした上で、「経緯を考えたら、あんな態度を取れるわけがない。志が全くなくなったのだろう」と指摘。「聞く耳を持つ内閣のやることなのか」と述べ、「聞く力」をアピールする岸田文雄首相の見解もただす考えを示した。
 日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で「都合が悪そうなことがあるから(マイクを)切ったとすれば良くない」と語った。国民民主党古川元久国対委員長は「考えられない行為だ。厳しく問われなければいけない」と強調した。