政治改革特別委 規正法改正を確実に図れ(2024年4月27日『産経新聞』-「主張」)

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初開催された衆院政治改革に関する特別委員会=4月26日午後、国会(春名中撮影)
 
 衆院政治改革特別委員会の初会合が開かれた。各党は、自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けた政治資金規正法の改正に関し見解を表明した。
 再発防止に向け、今国会で確実に改正することが必要だ。
特別委で焦点となったのは、政治資金収支報告書に不記載や虚偽記載があった場合の国会議員への罰則強化の在り方である。
 自民案では、会計責任者が作成した収支報告書が適法であることを証明する「確認書」の交付を議員に義務付ける。会計責任者が不記載や虚偽記載で処罰され、議員が収支報告書の内容を十分に確認しないで確認書を出していた場合、公民権停止となり失職する。特別委で自民は「いわゆる連座制の導入は必要だ」と説明した。
 各党の考え方には依然隔たりがあるが、重要なのは秘書や会計責任者に責任を押し付けることができないように、議員の責任を明確にすることだ。
 政党から国会議員に支出される政策活動費の見直しも論点となった。公明党は使途の公開を求め、立憲民主党日本維新の会などは禁止を訴えた。一方、自民は「(政治資金の)受け手側の営業秘密やプライバシー確保にも配慮が不可欠だ」と主張した。
 収支報告書のデジタル化については、自民、公明、立民、国民民主党などの間でおおむね一致をみた。収支報告書をオンラインで提出・公表し、政治資金パーティー券の購入者などをインターネットで検索できれば、国民の監視を強化することにつながる。
 立民、維新、共産党などは企業・団体献金の禁止も訴えた。だが、社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。政治資金の透明性を高めることで、公正な政治活動を担保するのが筋である。
 特別委で十分議論されなかった課題もある。外国人・外国法人によるパーティー券購入をめぐる問題だ。現行法は外国人・外国法人による政治献金を禁じる一方、パーティー券の購入は認めている。購入は政治活動への事実上の経済支援であり、献金と意味合いはほとんど変わらない。参政権付与などの政治的な動機があってもおかしくない。外国人・外国法人の購入は禁止すべきだ。