▼今の時代に「ひらのすい」と正しく読むのは難しいか。現在の兵庫県川西市平野で見つかった炭酸水なので平野水。これが今もおなじみ「三ツ矢サイダー」となる。作家の山口瞳さんは「平野水」を長い間、勘違いしていたそうだ。地名とは知らず、英語の「プレイン(=平野、味を付けていないの意)ソーダ」の日本語訳だと信じていた
▼地名と結びついた食品名の勘違いと聞いて「平野水」を思い出したが、話は和牛である。ブランド牛肉の「常陸牛」を売り出す茨城県。思ってもみなかった理由で苦労していると聞いた。「常陸」が読めない人がかなりいるという
▼あくまでも念のためだが、「ひたち」。県のアンケートによると20代の6割近く、30代でも約4割が「じょうりく」「ときわ」などと読み間違えていたそうだ。正しく読んでもらえなければ、ブランド名の浸透は難しかろう