「国スポ」見直し「方向性出す」 全国知事会長の村井宮城県知事が表明(2024年4月20日『河北新報』)

全国知事会のオンライン会合で笑顔を見せる村井知事=19日午後、東京の都道府県会館

 全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は19日、国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の実施方法について、開催自治体の負担軽減のため見直しを求める方向で知事会の意見をまとめることを表明した。

 全国知事会の総合戦略特別委員会のオンライン会合後に記者団に明らかにした。村井知事は「国民の関心が高い。しっかりと知事会の意見をまとめて一定の方向性を出す」と述べた。意見は国スポ主催者の日本スポーツ協会に提出する。

 オンライン会合では、平井伸治鳥取県知事は「中身がバラバラでは改革にならない。各県知事の意見を集約して、考え方をまとめるべきだ」と主張した。

 阿部守一長野県知事は「行政スリム化の一環で国スポの見直しを進めたい」と指摘。佐藤樹一郎大分県知事も「議論のすり合わせが大事だ」と同調した。

 村井知事は8日の定例記者会見で国スポについて「廃止も一つの考え方」と述べた。知事会はアンケートで各知事の意見を集約中で、村井知事は当初は「意見は一つにはまとまらない。いろんな意見があるという形で(スポ協に)ぶつけていくのではないか」との考えを示していた。

 全国知事会の総合戦略特別委員会のオンライン会合後に記者団に明らかにした。村井知事は「国民の関心が高い。しっかりと知事会の意見をまとめて一定の方向性を出す」と述べた。意見は国スポ主催者の日本スポーツ協会に提出する。

 オンライン会合では、平井伸治鳥取県知事は「中身がバラバラでは改革にならない。各県知事の意見を集約して、考え方をまとめるべきだ」と主張した。

 阿部守一長野県知事は「行政スリム化の一環で国スポの見直しを進めたい」と指摘。佐藤樹一郎大分県知事も「議論のすり合わせが大事だ」と同調した。

 村井知事は8日の定例記者会見で国スポについて「廃止も一つの考え方」と述べた。知事会はアンケートで各知事の意見を集約中で、村井知事は当初は「意見は一つにはまとまらない。いろんな意見があるという形で(スポ協に)ぶつけていくのではないか」との考えを示していた。

刺激的発言で議論リード

 国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の在り方の議論に火を付けた全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事。県政運営では時に刺激的な言葉で議論をリードし、施策推進を図ってきた得意の政治手法を知事会の舞台にも持ち込んだ形となった。 

全国知事会のオンライン会合の冒頭にあいさつする村井氏(右)

「村井会長の発信力の高さに、われわれ(各知事)は非常に喜んでいる」

 19日にあった全国知事会の会合後、伊原木隆太岡山県知事が国スポ議論を喚起した手腕を持ち上げると、村井氏の笑顔がはじけた。

 「廃止も一つの考え方」「発展的解消を」「聖域やタブー抜きに、白紙で議論した方がいい」「47都道府県対抗で大運動会」。これまでの記者会見で印象的な表現で言い放つ村井氏に、一部の競技団体は抵抗感を示した。

 一方で多くの知事からは、財政負担を背景に開催形式の見直しに賛同する意見が相次いだ。平井伸治鳥取県知事は「(各知事に)大きな隔たりはなく、表現だけの問題ではないか」と話した。

 ある宮城県幹部は「大胆な言いぶりに少し驚いたが、県庁への苦情も少なかった。知事らしい問題提起の仕方だった」と話す。

 村井氏の発言後、盛山正仁文部科学相は「持続可能な大会となるよう検討を進める」と述べ、日本スポーツ協会は自治体負担の軽減策を協議する検討部会を新設した。

 強い言葉で事態を動かす姿は、東日本大震災対応でも見られた。復興交付金第1次配分額を要求の6割弱にとどめた復興庁を「査定庁だ」と断じ、第2次配分で要求の倍近くを引き出した。

 村井氏は2005年の知事就任時から「行政のスリム化」を掲げる。国スポ改革も昨年9月の知事会長就任時から意識していたという。「いいタイミングで議論が沸き立ったなと思う」。19日の会合後に満足げに語った。