自民党・茂木派「解散」へ 岸田首相の派閥解消方針受け(2024年4月17日『日本経済新聞』)

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自民党茂木派の総会を終えた茂木敏充幹事長(17日、党本部)
 
自民党茂木派は17日、党本部で開いた総会で政治団体平成研究会」の解散を決めた。会長を務める茂木敏充幹事長が提案し了承された。岸田文雄首相の派閥解消の方針を踏まえて対応する。政治団体ではなく政策集団としての活動を探る。
茂木氏は総会後、記者団に「新たな政策集団に転換していくことを基本にあり方を検討する。政治団体としての届け出について取り下げる」と述べた。今ある派閥事務所も閉鎖する考えを示した。
平成研究会」の名称に関し「名前を変える、変えないを決めたわけではない。この結束は大切にしたい」と語った。
総会に出席した加藤勝信官房長官は「派閥は解消した。それに尽きる」と言明した。「今後のあり方はみんなで模索していく。派閥をそもそも解消するという流れがあったなかで判断した」と話した。
茂木派は1月末の会合で政策集団として事実上存続することを確認したものの、政治団体としての扱いは結論を先送りしていた。首相は1月の衆院予算委員会で「派閥を解消するというのは政治団体を解消するということだ」と答弁していた。
これまで派閥は政治団体としてパーティー収入や所属議員からの寄付の受け皿となってきた。安倍派(清和政策研究会)のパーティー収入の環流など政治資金問題が国民の不信を招き、党内6派閥のうち麻生派と茂木派を除く4派閥がすでに政治団体の解散を決めていた。
 

自民 茂木派 政治団体を解消へ グループの活動は継続する方針(2024年4月17日『NHKニュース』)

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題に関連し、茂木派は、17日の会合で、政治団体を解消することを決めました。一方で、政策集団としてのグループの活動は継続する方針で運営のあり方などを今後検討していくことにしています。

自民党の茂木派は、カネと人事から派閥は完全に決別するとした党の方針に沿って活動のあり方を検討し17日、所属議員による会合を開きました。

会合では会長を務める茂木幹事長が政治団体の届け出を取り下げて解消する方針を提案し、了承されました。

一方で、政策集団としてのグループの活動は継続する方針で運営の在り方などは、今後検討していくことを確認しました。

また、所属議員からの会費の徴収は当面、停止するということです。

会合のあと茂木氏は記者団に「新しいグループの運営のあり方は少し時間をかけて決めていきたい。自民党は非常に厳しい状況に置かれており、互いに助け合いながら運営していきたい。大切なのは人の集まりであり、結束を大切にしていきたい」と述べました。

自民党では、これまでに安倍派、岸田派、二階派、森山派が解散を決めた一方、麻生派は存続しています。

加藤 前厚労相「今後のあり方 皆で考え模索」 

茂木派の加藤・前厚生労働大臣は記者団に対し「茂木派は政治資金の問題があったわけではないが、一連の党での議論も踏まえて意見交換をした。もともと派閥を解消するという流れがあった中で判断をしたということで、今後のあり方は皆で考え模索していく。1回ここで解散し、今後のあり方をこれから考えるということだろう」と述べました。

鈴木憲和農林水産副大臣「皆で切磋琢磨しながら努力したい」

茂木派の鈴木憲和農林水産副大臣は記者団に対し「党の中間とりまとめに従った対応で、よいのかなと思う。われわれは日本がよくなるように国会議員の仕事をしているので皆で切磋琢磨(せっさたくま)しながら努力したい」と述べました。