宝塚歌劇団の本拠地・宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の西隣に、歌劇団の事務所が入るビルの建設計画が進んでいる。武庫川に面して並ぶ周辺の建物は、観光都市・宝塚市の象徴。市景観審議会の部会で「大劇場との連続性を考慮してほしい」との注文がつき、事業者の阪急電鉄は「景観に配慮したい」とする。今後の展開に注目が集まる。(高部真一)
計画などによると、新しいビルは地上6階、地下1階。1993年に新築開場した大劇場の建物に事務所や稽古場、スタジオが入っていたが、手狭になったことから建設を決めた。
ビルは主に事務所として使い、1階には店舗が入る。大劇場と小劇場「宝塚バウホール」の間にある敷地が予定地で、現在はパラソルやテーブルが置かれた屋外テラスとして、観劇の幕あいに観客らがくつろいだり、飲食したりする場になっている。
ビルは高さ約33メートル、幅約49メートルで、武庫川からの景観上、壁のような存在になる可能性もある。阪急電鉄側は、大劇場のほか宝塚音楽学校、宝塚ホテルなどに合わせたオレンジ色の瓦を採用し、中世ヨーロッパのような街並みを維持したいとする。建物の周りをテラスとして開放することも検討している。