【全文掲載】大谷翔平 水原氏不在の影響について言及(2024年4月9日『NHKニュース』)

 


大リーグ、ドジャース大谷翔平選手が8日、専属通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博をめぐる問題の影響について先月、声明を発表して以来、初めて報道陣の質問に答えました。

記事後半では大谷選手の報道関係者への【一問一答】をお伝えしています。

大谷選手は8日、ミネソタ州ミネアポリスでツインズとの試合前に報道陣の取材に応じました。

このなかで、大谷選手は元通訳の水原氏が違法賭博に関与したことなどについて先月25日に声明を発表して以来、初めて言及し、これまで常に行動をともにしていた水原氏がいない中でシーズンをスタートしたことについては「基本的な生活のリズムは変わってない。きょうもそうだったが、ぎりぎりまで寝て球場に来る感じだ。ただ、ここ数週間いろいろあったので、隣に誰かいるかどうかはだいぶ違うと思うし、そういう意味ではすごいいてくれてよかったと思ったことはあった」と話し、妻の真美子さんや愛犬の「デコピン」の存在が支えとなっていることを明らかにしました。

一方で、プレーへの影響については「野球をやるときにそのことを特に考えていない。やってきた技術だったりは基本的には変わらないと思うので、まずはそれを信じてグラウンドの中で100%表現するというのが僕の仕事だ。そこはグラウンドの外でなにがあっても変わらない」と述べて野球への姿勢が変わっていないことを強調していました。

そして「今のところは自分で球場に来てなにかやったり練習したりというところだ。もちろんチームの皆さんのサポートも感じているのでありがたいと思っている」と周囲への感謝を述べていました。

最後に松井秀喜さんが持つ大リーグの日本選手のホームラン最多記録175本にあと2本にまで迫っていることについて問われると「そこまでというよりは、次の1本、次の1本ということだと思う。きょうもし打ったら、またあすもという感じだ。もちろん特別な数字ではあると思うので、早く打ちたいという気持ちはある」と意気込みを語りました。

【試合前 一問一答】水原氏不在の影響 家族への思いなど

ドジャースの大谷選手は、ツインズとの3連戦初戦の試合前、報道陣の取材に応じました。

およそ15分の取材の中で、専属通訳を務めていた水原氏不在の影響について言及したほか、家族への思い、あと2本に迫った大リーグの日本選手最多ホームラン記録などについて答えました。

〈米メディア〉
Q.1号ホームランが出てから好調だがきっかけがあった?

大谷翔平選手
「えーっと、いろいろ、変えたりというかまあ、調整方法も含めてケージでのドリルもそうですし、いろいろ試しながらはやっています」

Q.カブスの本拠地、リグレーフィールドで初めて試合をして風など含めて印象は?

「打者目線では風がちょっと厳しかったですけど、ただクラシカルな球場というかそういう雰囲気の球場は個人的には好きなので、すごいきれいな昔ながらの美しい球場だなと思いました」

Q.投手のひじのけがが多く見られるが、その要因の1つにピッチクロックもあると思うか?

「んー、まあ間違いなく負担は増えていると、それは間違いないと思うので、リカバリーというか、体への負担自体はやっぱり短い時間で多くの仕事量をこなすというのは、やっぱり負担自体は間違いなくかかっているとは思うので、ただその、それがどの程度今回のに反映されているのかというのは確証がないですし、まあ、自分の感覚として、それはあるんだろうなとは思いますけど」

Q.球速のアップやスピンレートの追求のほかに、ピッチクロックもけがの要因になると思うか?

「もちろんその、球質自体を上げていくという作業もそうですし、なおかつ自分のベストのボールを投げ続けなければいけないというのも、もちろん僕はピッチャーをやってるので、なかなかその、んー手を抜くではないですけど、軽く投げていくシチュエーションというのが先発ピッチャーでもなかなか少ないというのももちろんそうだとは思いますし、さっきも言いましたけどピッチクロックは体への負担自体は増えているとは思います」

Q.ホームランを打ったことによって、心の余裕が出てきた?

「それはあると思います、やっぱり1本出るかどうかというのでは違うと思うので、打席の中での余裕も違いますし、メンタル部分で余裕を持って打席に入れるというのは大きな違いかなと思います」

Q.通訳の水原一平氏がいなくなって、フィールド外でも調整をしなくてはいけないことが増えた?

「んー、どうなんですかね、まだ数日、数週間というか、今実際に遠征に来ているので、特にホテルで何かするということもないですし、今のところは自分で球場に来て、何かやったりとか、あの、練習したりとかというところで、もちろんチームの皆さんのサポートもありますし、コーチ陣フロントのサポートももちろんすごく感じてるので、そこは今すごくありがたいなと感じています」

Q.どうやって野球への集中力を保っている?

「んー、野球をやるときに、特に、そのことを考えてはないですし、やってきた技術であったりとかっていうのは、基本的には変わらないと思うので、それをまず信じてグラウンドの中で100%表現するというのが僕の仕事なので、そこは、グラウンドの外で何があっても変わらないところかなと思います」

Q.投手のリハビリが始まって今の状態は?

「今は順調に、きのうも投げましたけど、本当にスモールステップですけど、徐々に徐々に、強度とかも伸ばしながら、球数も伸ばしながら順調に来ているなと感じています」

Q.どのような練習方法でバッティングが向上したのか?

「えー、まあ、そのなんていうんですか、動画を撮っていろいろ、別にドリルじゃなくても、ここをこうしよう、ああしようというのももちろん話していますし、きのうは2回凡退したあとはクリケットのバットで打ったりとかして2安打したので、きょうもやろうかなって思っています(笑)」

〈日本メディア〉
Q.ピッチングフォームの中で変えたところがいいところなど意識しながら取り組んでいるところはある?

「んーー、まあ投げ方で軽減できる範囲がどの程度なのかというのは、まあその、球速との因果関係がけっこう強いと思うので、んーまあ例えば160キロ投げる、同じ投げ方じゃなかったとして、160キロを投げられるのが、どの程度その、メカニック、動き方によって軽減できるのかというのは、正直その球速の質だったり、質というか、クオリティーのほうが僕の感覚ですけどね、どの投げ方というよりかは、まあやっぱりしょうがない部分があるので。
なので、なんていうのかな、まあその、そのクオリティをどの程度保証していくかというか、自分の1試合の中でマネジメントしていくかというほうが、けがをしないという観点で見ると大事かなと思います」

Q.フォームで軽減するために取り組んでいるトレーニングなどある?

「んー、それはやっぱり全体で分散していくしかないと思うので、それはまあ昔でいえば、例えば『下半身で投げなさいよ』みたいなことが、まあやっぱりその、感覚的にいえばそうなるんでしょうけども、それを全体で分散していく。
投げ方によってはどこかに頼って投げていくということもありますし、球速とかに関して言えば、どちらかと言えば、動き方もそうですけど、イメージというか、こういうふうにいけそうだなというイメージがあれば、どんな投げ方でも意外に早く投げられると思うので、それを効率よく分散させていく投げ方というのは、まあ大事なんでしょうけども、さっきも言いましたけど、クオリティーがどうしても上がると、どうしても負担が出る場所というのはあるのかなと思うので」

Q.バッティングに関して、最初の構えがどういう形になれば納得のいく打球になる?

「打球の角度とか自体はスイングの軌道で決まるとは思っているので、まあそのスイングの軌道は構えから決まっていますし、なので僕は構えが大事だというのが僕の考え方ではあるので、構えが決まれば、軌道もよくなるし、力の伝わるスイングになるしというところですかね」

Q.バッティングのあとに構えの確認をするのは、考えを整理するという意味で?

「そうですね、直後じゃないと、なんていうのかな、今のがどうなってて、どんな風な、見え方で軌道で振った方がいいのかというのをイメージしておかないと、やった直後がいちばん落とし込めるかなとは思います」

Q.クリケットのバットはなぜ?

クリケットのバットは、なんか面になっているので、面で捉えていくというか、どちらかというと体を振って、んーなんていうんですかね、返しているのがはやい感じのスイングではあったので、まあ握ったときによさそうだなというか、練習の一環としてよさそうだなと思ったので、きのうやりました」

Q.妻やペットがいて、苦しいときに支えになった?

「んー、基本的な生活のリズムはでも変わってないですかね。
ぎりぎりまで、きょうもそうでしたけどぎりぎりまで寝て来る感じなので、基本的にはあまり変わってないですけど、ここ数週間いろいろあったので、まあ隣に誰かいるかどうかはだいぶ違うと思いますし、そういう意味ではすごくいてくれてよかったなと思ったことはあったかなと思いますね」

Q.食生活の変化は?

「今ですか?あー、今いろいろその、今回のあれでもそうですけど、あのー、決まっていたこといろいろ変えなきゃいけなかったりとかしているので、まだそんなに生活の基盤みたいなものができていないというか、リズムみたいなものができていないので、今はふつうに、なんていうんですか、作ったりとかということではなくて。
例えばなにか頼んだりとかというところで食事はしてますね」

Q.ホームランが173本、日本選手最多の175本への気持ちは?

「もちろん早く打ちたいなという、そこまでとかというよりかは、次の1本次の1本ということだと、シーズン中は特に、ということだと思うので。
まあ、きょうもし打ったら、またあしたも打てるように、次の日も、その次の日もという感じなので、もちろん特別な数字ではあるかと思うので、早く打ちたいなという気持ちはもちろんありますね」

【3月26日 動画・声明全文】大谷翔平 自身の関与否定 水原氏の賭博問題

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