日本大の2024年度の入学式が8日、東京都千代田区の日本武道館であった。アメリカンフットボール部の違法薬物事件の騒動で学長が交代してから初の公式の場となった入学式で、大貫進一郎新学長は一連の対応について「おわび申し上げる」と謝罪の意を述べた。林真理子理事長も「新学長と2人で力を合わせる」と、信頼回復に努める考えを示した。
薬物事件を調べた第三者委員会は、ガバナンス(組織統治)が機能せず不適切な対応が重なったと指摘。24年3月末で前学長の酒井健夫氏が退任した。
副学長から学長に就任した大貫氏は式辞の冒頭で「(アメフト部の)事案、それに伴う対応の不手際について多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを改めておわび申し上げる」と謝罪した。
今後について「信頼回復に向け管理運営体制を見直し、コンプライアンスやガバナンスの徹底に努めているので、新入生の皆さんには安心して勉学や課外活動に励んでいただきたい」と述べた。
このほか、学生に「壮大な夢」を持って主体的に学業に励むことの重要性を促し、さまざまな考えや価値観に触れ、他者を尊重する多様性の必要性も訴えた。
続いて壇上に立った林理事長は「日大は昨年大きな不祥事を起こした。日大を信じ、期待して入学した皆さんには心から感謝している」と新入生に呼びかけた。
今後について「学生ファースト」を掲げ、「新学長とこれから日大の新しい形を作っていく。2人で力を合わせて、皆さん方がより満足できる学びの場所を作ることをお約束する」と、学長との連携を強調した。
24年度は、演歌歌手でタレントのさくらまやさん(25)が大学院総合社会情報研究科に、世界的に活躍するレーシングドライバーの野田樹潤(じゅじゅ)さん(18)がスポーツ科学部にそれぞれ入学した。【西本紗保美】
日大入学式で林理事長「ご入学された皆さんには心から感謝」 新入生「経営陣刷新したら…」 薬物事件などで志願者数2万超減(2024年4月8日)
アメフト部の薬物事件など不祥事が相次ぎ、志願者が2万人以上減少した日本大学で8日、入学式が行われた。
入学式は日本武道館で2回に分けて行われ、午前の入学式では林真理子理事長が挨拶で、「昨年大きな不祥事を起こしました。そうした中にあって日本大学を信じ期待してご入学された皆さんには心から感謝しています」と不祥事について言及した。 一方、新入生からは、「経営陣とか全員刷新して変えてもらったら何か変わるんじゃないかな」「安心して過ごしていける大学にしてもらいたい」といった声が聞かれた。 日本大学によると、「一般選抜」の志願者数は、前年比2万人以上減っている。
フジテレビ,社会部
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◆「学生ファースト、満足できる学びの場に」
日本大の入学式で祝辞を述べる林真理子理事長
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