学校の春休み期間に合わせ、警視庁少年育成課は3月末から3回にわたり、東京・歌舞伎町で一斉補導を行った。悪質ホストクラブが社会問題となる中、18歳未満でも入店できることの多いメンズコンセプトカフェ(メンコン)で少女らが酒の提供を受けたり多額の金銭を使い込んだりするケースも浮上。
被害の低年齢化が懸念される中、今回は一斉補導で初めてメンコンへの立ち入り検査を実施した。
【表でみる】ホストクラブとメンズコンセプトカフェの違い
■少年少女31人を補導
少年育成課によると、今回の立ち入りで違反店舗は確認されなかったが、多額の金銭を使い込むなどした15歳と18歳の女子高校生など、11~18歳の少年少女計31人を補導した。
「アイドル彼氏」「執事」などさまざまなコンセプトをうたうメンコン。少女が店のスタッフに恋愛感情を抱くなどしてのめり込むケースも多く、警視庁には「娘が大金を使っている」などの相談が寄せられる。高校1年の少女が「パパ活」で稼いで数十万円のシャンパンをあけていたケースもあり、捜査関係者は「実態はホストクラブと同じような店も多い」と指摘する。
■未成年者の入り口に
メンコンとホストクラブに明確な定義の違いはない。ただ、メンコンの多くは接待を伴う「風俗営業」を行っていないとして、ホストクラブに入店できない18歳未満も入ることが可能。未成年者の歌舞伎町への入り口の一つになっているとみられる。未成年者に飲酒させたり深夜まで立ち入らせたりした店や、許可なく同席接待を行った店の摘発も続く。 少年育成課の担当者は「店で使うお金を稼ぐために売春するなど悪循環に陥る恐れもある」と指摘。「悪意のある大人に巻き込まれるリスクがあるので、子供は安易に歌舞伎町には来ないでほしい」と呼び掛けている。