「炭鉱のカナリア」(2024年4月6日『しんぶん赤旗』-「潮流」)

炭鉱のカナリア-毒ガスに反応するカナリア Stock ベクター ..

 「炭鉱のカナリア」。炭鉱労働者が身の危険を守るために有毒ガスに敏感なカナリアを坑内に連れたことから、「危険の警鐘」との意味があります

大阪万博の会場建設現場で起きた可燃性ガス爆発事故。「炭鉱のカナリア」を無視して無謀な建設を強行したことが大本にあることが、はっきりしてきました

万博工事でガス爆発!地下には毒灰・毒土が埋められ、メタンガス ...

▼万博会場は大量のゴミやしゅんせつ土砂などを埋め立ててつくった人工島です。可燃性ガスが噴出しており、事故が起きたエリアだけでも79本ものガス抜きパイプが林立。市民団体や専門家らがその危険を指摘していました

▼事故後、大阪府の吉村知事は「安全な工事が大事だ」と当たり前のことしか言えず、「他のエリアでは起きない」(万博協会)と火消しに躍起です。しかし大阪市自身が日本共産党の聞き取り調査に「事故が起きたエリア以外でもガスが出る可能性がある」と今後も爆発が起こる危険性を認めました。万博テーマの「いのち輝く」どころか「いのちの危険」ともいうべき事態。開催の大義はもはや成り立ちません

▼学校行事の名目で参加させられる子どもたちの保護者や教員からも、「危険で無謀」だと中止を求める声がますます強まっています。それでも開催に突き進むのは、万博後に予定する「カジノ」設置と連動しているからです

▼「カナリアの警鐘」を無視して労働者を働かせた炭坑では、大事故が繰り返されました。万博も大惨事となる前に「国民の警鐘」できっぱり中止に追い込むことがいよいよ必要です。