「俺が出るまで待っておけよ」 東名あおり事故の被告、裁判官に(2024年2月26日『毎日新聞』)

 

 神奈川県大井町東名高速で2017年、あおり運転で一家4人が乗った車を停車させて後続車を追突させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた石橋和歩(かずほ)被告(32)に対する差し戻し控訴審の判決で、東京高裁は26日、懲役18年とした差し戻し後の1審・横浜地裁判決(22年6月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 黒いスーツで入廷した石橋被告は、首を傾け、腕を組みながら、約1時間に及んだ判決の言い渡しを聞いた。最後に裁判官に向かって「俺が出るまで待っておけよ」と述べ、そのまま退廷した。

 判決によると、事故は17年6月5日夜に発生した。被告が運転する乗用車が、静岡市の萩山嘉久さん(当時45歳)と妻友香さん(同39歳)、娘2人が乗るワゴン車に急な減速や接近を繰り返し、ワゴン車は高速道路上に停車。ワゴン車は後続のトラックに追突され、夫婦が死亡し、娘2人がけがをした。

 弁護側はこれまでの公判で、被告の車の減速や接近と事故には因果関係がないと主張したが、裁判員裁判で審理された18年12月の1審・横浜地裁判決は因果関係を認めて懲役18年とした。19年12月の2審・東京高裁判決も因果関係は認めたが、「地裁での手続きに法令違反があった」として1審判決を破棄。差し戻し後の横浜地裁裁判員裁判が改めて懲役18年の判決を言い渡していた。【斎藤文太郎】