テレワークで過労死ライン超える勤務、異例の労災認定…「適正な労働時間の管理が必要」(2024年4月3日『読売新聞』)

 補聴器メーカー「スターキージャパン」(横浜市)に勤める50歳代の女性が適応障害を発症したのは、テレワークでの長時間労働が原因だったとして、横浜北労働基準監督署が労災認定したことがわかった。女性の代理人弁護士が3日、東京都内で記者会見して明らかにした。認定は3月8日付で、テレワークによる労災認定は異例という。

 同署の認定などによると、女性は同社で経理業務を担当し、コロナ禍の2020年から、自宅でテレワークをするようになった。21年末から、経理システムの変更や同僚の退職で負担が集中。上司からは早朝や深夜の時間帯に、業務上の連絡や注意を頻繁に受けるようになり、休日労働を余儀なくされることも多かったという。

 女性は22年3月、適応障害を発症。発症直前の1か月間の時間外労働は過労死ライン(月100時間)を超える112時間に上った。

 代理人の笠置裕亮弁護士は会見で「労働者の柔軟な働き方につながるテレワークでも、適正な労働時間の管理が必要だ」と話した。スターキージャパンは取材に対し、「 真摯しんし に受け止めており、誠実に対応していく」とした。