自動車販売の業界団体が1日発表した2023年度の軽の新車販売台数で、ダイハツ工業が軽自動車の国内シェアで18年ぶりに首位から陥落した。スズキが前年比7%増の55万2251台となり、首位に返り咲いた。ダイハツは認証検査不正による出荷停止が響き、22%減の44万3694台に落ち込んだ。
明暗を分けたのは、24年1〜3月期だ。23年12月に完成車の認証検査を巡る大規模な不正を受けて、国土交通省は全ての車種の出荷停止を指示した。
ダイハツは全ての車種での生産再開には時間がかかっている。前年同期比74%減の4万3196台と低迷し、3カ月ごとの四半期ベースの販売台数では4位まで下がった。
一方、スズキは1〜3月期で14%増の16万5189台に伸び、四半期ベースでは21年以来3年ぶりに首位を奪取した。23年秋に主力の軽「スペーシア」を全面改良したことも寄与した。
ホンダは1〜3月期で20%減の7万6239台にとどまったが、販売台数はダイハツを上回り、統計が残る1993年以来で初めてシェア2位になった。日産自動車は1%減の6万395台で3位だった。
ただ、販売台数自体はほぼ年間150万〜200万台の間で横ばいが続く。シェアを追うだけでは稼げなくなっており、値上げなどで収益性を重視する方向に転換している。
ダイハツの検査不正は年度の販売台数にも影響を与えている。
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が同日発表した23年度の国内の新車販売台数(軽自動車含む)は、前年度比3%増の452万8668台だった。軽自動車に限ると、162万5481台と4%落ち込んだ。
軽自動車が減少に転じるのは2年ぶり。3月単月も前年同月比でマイナスとなり、4カ月連続で前年割れが続いている。