二階俊博元幹事長の“裏金問題” 『義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)』3500万円分の書籍の行方【報道特集】(2024年3月30日)

ブックマン社 小宮亜里編集長
「ちょっとこれは知らなかった。青天の霹靂でした」

本を監修した人物から、出版する大半、6000冊を“自分が買い取る”と条件を提示され、出版を決めた。その人物は政界に広く人脈があり、二階氏とも何度か対談する仲だった。

ブックマン社 小宮編集長
「政治家さんの本って売れないので、(監修者が)「僕が買い取る」と言うので出版を進めました。ポケットマネーなのかもしれないし、その辺はあまり深く考えなかった」

ーー出版に政治資金が使われているっていうのは…

ブックマン社 小宮編集長
「もうそれがわかってたら(本は)出さないですよ。裏金と呼ばれるもので買われてたっていうのはちょっと想像してなかったというか」

二階氏は、5000冊分の代金を、この出版社ではなく、本の監修を務めた人物の会社宛てに振り込んだとしている。支払われたのは“定価”での合計1045万円。一方 出版社は、その会社に割引価格、 約815万円で売ったという。差額230万円はこの会社の利益になっているのか?会社を訪ねた。

村瀬キャスター
「二階さんの政治資金の件で取材をしておりまして。どういったご事情かを伺えないかと思いまして参ったんですけど」

監修者は不在。改めて書面で取材を申し込んだが期限までに回答はなかった。

■大量の書籍の行方は・・・

別の書籍代は、二階氏の地元・和歌山で支払われていた。二階氏が公表した手書きの領収書には、書籍代を受け取ったのは、出版社ではなく和歌山の印刷会社と記されている。和歌山に向かった。支払先である印刷会社を訪ねると、社長が取材に応じた。

印刷会社の社長
「今回のこの本に関しては、うちから販売したっていうよりは、印刷物を納めさせてもらったっていう」

ーー二階事務所に納めた?

印刷会社の社長
「お届けした。その対価としてお金をいただいたという形」

二階事務所から支払われた金額は、あくまで『原稿を印刷し、製本した代金』だという。

印刷会社の社長
「元々担当していたのがうちの叔父でして、亡くなりまして。詳しい内容に関しては分からないです。二階さんとのやり取りとか」

ーーどこに送ったんですか?こんな大量な本を?

印刷会社の社長
「二階事務所さんですよ」

ーー御坊市?

印刷会社の社長
「はい」

ーー3000冊も?

印刷会社の社長
「はい」

これまで二階事務所は購入した書籍は、「“選挙区外”の行政や議会関係者などに配布した」と説明していた。なぜ、 “選挙区外”と強調しているのか?公職選挙法に詳しい上脇教授は・・・

神戸学院大学 上脇博之教授
「(配布するのが)選挙区内の人であれば違法な寄付、公職選挙法違反の『選挙区内の者に対する寄付』になってしまいます」

領収書に記された9社を取材したところ3社から回答があった。二階氏が購入したとする1万1500冊(3社合計)のうち、約7000冊は地元・和歌山県御坊市の二階事務所に送ったという。

書籍は、選挙区内の有権者には配られていなかったのか?古い本を持っていた人がいた。商店街の理事長をしていた父親のものだという。

御坊市有権者
「ありました。なんか分からないけど、父親ロータリーに入っていたんで、こんなのいっぱい。こんなのって失礼よな、二階先生の」

ーーこれ、どうしたんですか?

御坊市有権者
「もらったのかな」

別の有権者は、以前、二階氏の集会で、本が無料で配られていたと話す。

御坊市有権者
「二階さん本人が来て何か(集会)するときにくれた。2~3冊もらったよ。わしは近所やし」

さらに、収支報告書に記載された本を、無料でもらったという有権者も…

御坊市有権者
「3回か4回ほどいただいたと思うんですけど、あの人は幹事長時代、本をこまめに出された」

自宅に貼られたポスター。男性は長年、二階氏を支援してきたという。

御坊市有権者
「もう3年ぐらい前の話になるんかな。新風会(二階氏の政治団体)の方でお世話する人がうちへ持ってきてくれた。『これは二階さんが出版された本ですから、読んでおいてください』って言ってね、持ってきてくれました」

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