私立名古屋芸術大 の次期学長に4月1日付で就任予定の同大非常勤講師、来住尚彦氏(63)が、複数の女子学生からセクハラ被害を訴えられているとして、調査委員会を設置していた同大は28日、「ハラスメントはなかった」とする調査結果をホームページ(HP)上に公表した。
同大によると、2月に複数の女子学生からのセクハラ被害の訴えがあり、同大は外部の弁護士2人を含む調査委員会を設置。来住氏や当事者の学生、職員にヒアリングしてきた。
同大は調査結果を28日に受け取り、当初は30日にHP上で公表するとしていた。しかし、セクハラ疑惑が一部で報じられたことから、急きょ前倒しで公表することにした。
ただ、調査結果は「処分するべきハラスメントが行われたとは認定できない、との結論に至ったことを報告します」とするのみで、具体的な聞き取り内容や、セクハラ認定しなかった根拠は示していない。一方で「学生の皆さんに不快な念を与えてしまっており、深くおわびする。今後は今まで以上に教職員へのハラスメント研修を徹底する」としている。
◇被害訴える学生「あきれた決定」
学生らの訴えでは、昨年8月、学内のスタジオで女子学生がミュージカルの自主練習をしていた際、複数の学生が来住氏に個別に呼び出され、指導として顔や頭をなでられたり、肩を組まれたりしたという。容姿や外見で人を判断するルッキズム(外見至上主義)に基づく発言を受けた学生も複数いたという。
セクハラ被害を訴えている女子学生の一人は取材に「ハラスメントを容認するようなあきれた決定。複数の目撃者もいたのに、被害者の気持ちを考えていない」と憤った。
学生有志は今回の問題を受け、来住氏の学長就任撤回を求める署名活動を展開している。
来住氏は芸術学部舞台芸術領域の非常勤講師。元TBS社員で、国内最大級のアート見本市「アートフェア東京」を手がけてきた。【川瀬慎一朗】
一部報道に関するお知らせ
2024.03.28 トピックス
令和6年3月28日
一部報道に関するお知らせ
この度、当学校法人が運営する名古屋芸術大学に関するハラスメント報道に関して、学内・学外の皆様にご心配をおかけすることとなり大変申し訳ありません。
一部報道されているとおり、2024年2月28日付けで、次期学長就任予定者が、2023年8月19日に教育活動状況の把握の一環としてミュージカル練習を見学した際にハラスメント行為があったとして、学生の方々より調査依頼がありました。
名古屋芸術大学には「ハラスメントに関する規程」が定められております。そこで、その規程に基づき「調査委員会」を立ち上げることになりましたが、今回の調査依頼はハラスメントに関するものであり、当法人としても調査により慎重を期するため、学内職員だけでなく特別に学外の外部弁護士2名を選任し、調査委員会のメンバーに加わっていただきました。そして外部弁護士の方には3月中旬に、調査依頼をされた学生の方、ハラスメントを受けたとする学生の皆さん、そして次期学長就任予定者、ならびに8月19日にその場にいた当法人の職員に対し、ヒアリング調査をしていただきました。
外部弁護士の方には慎重に事実認定をしていただき、その調査結果が2024年3月28日(木)に調査委員会から提出されました。本来ならば、3月30日(土)に開催する理事会において、同調査結果の内容を確認する予定でしたが、今回は緊急に理事会メンバーに確認を取らせていただきました。その結果、処分するべきハラスメントが行われたとは認定できない、との結論に至りましたことを、ご報告させていただきます。
ただ、学生の皆さんに不快な念を与えてしまっております。当法人としては学生の皆さんに深くお詫びをするとともに、今後は今まで以上に教職員へのハラスメント研修など徹底して、学生の皆さんが学修しやすい環境整備に努めてまいりたいと思っております。
なお、憶測による報道は、学生の皆さんをはじめ関係者のプライバシーを損なうものであり、謹んでいただきますようお願い申し上げます。
学校法人名古屋自由学院
理事長 川村大介