■“一風変わった形状のベンチ”に批判の声
賛否が分かれているのは、公園内にあるベンチです。背もたれはありませんし、座る面がアーチ状になっています。一風変わった形状のこちらのベンチが、SNSで注目を集めています。 Xから 「ホームレスが寝ないためでは?」 「『座るな』の意思表示がすごい」
ホームレスの人などが横になれないように、あえて居心地の悪いデザインにしているのではないかと批判の声が出ているのです。
ホームレスの人への支援活動をしている団体、自立生活サポートセンター・もやいは「このようなベンチを設置することが、ホームレスの人への排除的メッセージになったり、圧力になることを懸念しています」
また、この形状で座ったら、高齢者や幼い子どもなどが、誤ってひっくり返ってしまうのではないかという不安の声も投稿されています。
■自治体で広がる“排除アート” 街の人は?
長居しにくいデザインで、“排除アート”とも呼ばれるこのようなベンチは、新宿だけでなく様々な自治体に広がっています。 街の人 「ホームレスの人が時間つぶしてる。そうなってくると子どもたちが近づけないです。だから、あえてこういうベンチの形状したというのが正解かもありませんよね」 「滑って転ぶじゃないですけど、背もたれがあった方が安心するので」 「逆に子どもたちは。お馬さんにまたがるような感覚で結構楽しんでいる」
■「住民から騒音苦情」…苦肉の策として設置
一体なぜ、このようなデザインにしたのでしょうか。区の担当者は、次のように説明します。 新宿区みどり公園課 「決して(ホームレスを)排除しようとか、いじわるしようとか、そういうことではない。不正利用対策の一環として、こういう形状にしているというところでございます。繁華街からですね、公園で飲酒ですとか、あるいは盛り上がって大きな声でお話をする。そういった事象が多く発生しています」 騒音などへの近隣の人からの苦情を受け、区ではこの公園のルールを定めて、看板を設置しましたが改善されませんでした。そのため、苦肉の策として、長時間利用できないような形状のベンチを設置したといいます。 新宿区みどり公園課 「どうしてもその公園というのは、ある意味地域の方の財産ですし、日ごろから毎日休憩や小さいお子さんを遊ばせたりとか、生活に密着したものです。やっぱり地域の住環境、近隣の方々の生活を守るという観点から、こうした対策っていうのは、そういう利用状況が変わらない限りですね、やっぱり続けていかざるを得ないのかなと思っています」
(「グッド!モーニング」2024年3月28日放送分より)