賃貸退去時の修繕費トラブル 相談1万件超「勘違いしやすいケース」把握を(2024年3月23日)


 春は入学や就職、転勤のシーズン。長年暮らした家を離れる人も少なくないだろう。賃貸住宅を退去する際、あまりに高額な修繕費用を求められたら要注意だ。「賃貸住宅の原状回復トラブル」に関する相談は今年度だけですでに公的窓口に1万件以上寄せられている。勘違いしやすいケースを把握しておこう。

 

同時に「冷蔵庫設置による壁の電気焼け」など、退去時に修繕が生じる項目の費用負担は借り主と貸主どちらになるかを聞くと、勘違いが多かったのは、貸主負担になる項目では「ポスターを張った画びょうなどの穴」、借り主負担になる項目では「専用庭の雑草処理」となった。

■最低限の知識習得を

「仲介業者も大家さんも賃貸業を営むプロ。肩を並べて交渉し、退去時に費用をなるべく抑えたいのであれば、借り主も最低限の知識を蓄えておく必要がある」と語るのは、「ライフルホームズ総研」副所長の中山登志朗さん(60)だ。

退去費用を巡るトラブルを最小限にするために、居住中からできる対策があるという。

「きちんと閉めても窓の隙間から雨が吹き込んでくるなど、建具の不具合がある場合は、たいしたことではなくても早めに貸主に相談しておきましょう」。また、「新たに賃貸借契約を結ぶ際には、書類の『特約事項』をしっかりと確認し、疑問に思うことが書かれていないかを確かめることも大切」と中山さん。さまざまな例を把握して納得できる交渉につなげたい。(竹中文) 

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