幾多の危機を乗り越えた星(2024年3月23日『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 重爆撃期。文字だけ見ると、時代が時代なだけにロシアやイスラエルなどによる熾烈(しれつ)な爆撃かと思いそうだが、さにあらず。地球が誕生してまだそれほどたっていない大昔、宇宙で起きていた出来事である。

 「初期」と「後期」があるが、一般には「後期」を指すことが多い。はるか41億年から38億年ほど前。地球をはじめ火星、金星といった惑星が多くの天体衝突に見舞われた時期をいう。地球にとって苦難の時期ではあったが、試練はそれだけにとどまらなかった。

 地球全体が氷床や海氷によって覆われた「全球凍結」、6600万年前の巨大隕石(いんせき)の衝突により引き起こされた大規模な気候変動…。幾多の災難によって地球上の生命は何度も危機にさらされたが、辛うじて完全絶滅だけは免れてきた。その先に現在の人間の繁栄がある。

 きょう3月23日は「世界気象デー」。1950年のこの日に世界気象機関条約が発効し、世界気象機関が発足したのを記念して制定された。自然災害の防止などの観点から国際的な気象観測の協力体制が求められる中で毎年、気象業務への国際的な理解促進を目的としたキャンペーンを行っている。

 今年のテーマは「気候変動対策の最前線」という。気象=気候変動ではないものの極めて重要な要素である。気の遠くなるような年月、何度も満身創痍(そうい)になりながらも命を育んできたこの星。人間の手で防げる気候変動をどう防いでいくなどを考えたい日だ。