大阪市に本社がある「小林製薬」は、「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症したことが報告されたと明らかにしました。会社ではこの成分を含む3つの健康食品を自主回収するとともに、使用を中止するよう呼びかけています。
会社の発表によりますと、ことし1月、「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が腎臓の病気などを発症したことが報告されたということです。
その後、体調不良が報告された患者の数は13人に増え、このうち6人が入院が必要となり、一時、人工透析が必要になった人もいるということです。
会社が成分を分析したところ、一部の紅麹の原料に意図しない成分が含まれていたということです。
「紅麹コレステヘルプ」は3年前に販売を始めて以降、ことし2月までにあわせて106万袋が販売されています。
会社では自主回収するとともに、商品を持っている人には今後使用しないよう呼びかけています。
「腎疾患で一時6人が入院 現在も7人が通院」会見で
「紅麹」とは
「紅麹」は、コメなどの穀類に麹菌の一種である紅麹菌を繁殖させてつくられたもので、古くから食品の着色料などとして使われてきました。
紅麹の「ロバスタチン」という成分にはコレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品などが多く販売されています。
一方、紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒をつくるものもあり、腎臓の病気を引き起こすおそれがあるとされています。
国の食品安全委員会によりますと、ヨーロッパでは紅麹由来の健康食品による健康被害が報告されていて、EU=ヨーロッパ連合は健康食品に含まれる「シトリニン」の基準値を設定しているということです。
小林製薬によりますと、今回の報告を受けて成分を分析したところ、「シトリニン」は検出されなかったということです。
一方で、「シトリニン」とは別の未知の成分の存在を示す分析結果が得られたということで、「意図しない成分が含まれている可能性が判明した」としています。