輪島 中学生の集団避難終了「お母さんとたくさん話がしたい」(2024年3月22日『NHKニュース』)

能登半島地震を受けて石川県輪島市から市外の施設に集団で避難していた中学生がおよそ2か月間の滞在を終え、22日夕方、地元に戻りました。県内では一時、およそ400人の中学生が地元を離れて避難生活を送っていましたが、これですべての集団避難が終了しました。

22日に集団避難を終えたのは、白山市の施設に滞在していた輪島市内の中学校に通う1年生と2年生、合わせて99人です。

生徒たちは、オンラインで行われた終業式に出席したあと、このうち46人が職員たちが見送る中、バスに乗り込み、およそ2か月間滞在した施設をあとにしました。

バスは午後5時すぎに輪島市内に到着し、生徒たちは次々にバスから降りると、出迎えた保護者たちのもとへ笑顔で駆け寄り、再会を喜んでいました。

1年生の男子生徒は「まだ余震は心配ですが、久しぶりに帰ってこられたので、お母さんとたくさん話がしたいです」と話していました。

また、母親の1人は「久しぶりに会ったら、娘の背が伸びていました。きょうは家族みんなでおすしを食べたいです」と話していました。

石川県によりますと、震災後、輪島市珠洲市など3つの市と町から、一時およそ400人の中学生が県内の別の自治体に移り、避難生活を送っていましたが、22日で、すべての集団避難が終了したということです。

教育長 “多大な支援と理解に感謝” 

中学生の集団避難が終了したことを受けて、輪島市教育委員会の小川正教育長は、22日午後に市役所で会見を開きました。

この中で、小川教育長は「ボランティア団体や企業、それに個人の方から物心両面で多大なご支援をいただいた。こうした支えがあったからこそ、避難していた生徒を無事に保護者のもとに帰すことができた」と述べ、関係者に感謝の意を示しました。

そのうえで、「集団避難にあたり、震災直後の大変な状況で、生徒と保護者の皆さんに大変な判断を迫ることになった。苦渋の決断に対し、ご理解いただいたことに心から感謝申し上げます」と述べました。