自民党大会で岸田首相、裏金議員の処分指示 信頼回復へ「厳しく対応」―不記載額・役職歴など勘案(2024年3月17日『時事通信』)

 
自民党大会で演説する岸田文雄首相(党総裁)=17日午前、東京都内のホテル

自民党大会で演説する岸田文雄首相(党総裁)=17日午前、東京都内のホテル

  • 自民党大会で党歌を斉唱する(左から)麻生太郎副総裁、岸田文雄首相、茂木敏充幹事長=17日午後、東京都内のホテル
  • 自民党大会で党務報告をする茂木敏充幹事長=17日午前、東京都内のホテル

 自民党は17日、第91回党大会を東京都内のホテルで開いた。岸田文雄首相は党総裁として演説し、派閥の裏金事件について「国民に心からおわびする」と陳謝。関係議員の処分について結論を得るよう茂木敏充幹事長に指示したと明らかにした上で、「厳しく対応していく」と表明した。

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 首相は「国民から多くの疑念を招き、深刻な政治不信を引き起こしている」と指摘。「政治の信頼回復に向け、私自身が先頭に立って党・政治改革を断行する」と語った。

 事件の関係議員に対しては「説明責任を貫徹すべく引き続き促す」と説明。処分の対象や重さは、政治資金収支報告書への不記載額、これまでの役職・議員歴、説明責任の果たし方などを総合的に勘案して判断する方針を示した。

 茂木氏は党務報告で「早期に厳正な対応を取っていく」と強調。大会後、記者団に「一律に全員同じにはならない。上に甘くて下に厳しい組織であってはならない」と主張した。

 党規律規約は「党則順守の勧告」から「除名」まで8段階の処分を定める。党内には重い処分を求める声がある一方、判断次第では安倍派元幹部らの反発を招きかねず、難しい判断を迫られそうだ。

 

森元首相、自民大会に出席 党幹部に「苦労かける」(2024年3月17日『時事通信』)

自民党大会に出席した森喜朗元首相=17日午後、東京都内のホテル

自民党大会に出席した森喜朗元首相=17日午後、東京都内のホテル

 政治資金パーティーを巡る裏金事件により自民党への逆風が強まる中で開かれた17日の党大会には、森喜朗元首相も姿を見せた。森氏は事件の渦中にある安倍派(清和政策研究会)の元会長。演壇に立つ場面はなかったが、関係者によると、会場で顔を合わせた党幹部に「苦労をかけている」などと話し掛けていたという。