「座席高く、景色違う」 北陸新幹線が延伸、全線開業へ期待の声も(2024年3月16日『毎日新聞』)

 

北陸新幹線が延伸開業し、下りの「一番列車」つるぎ1号がJR敦賀駅に到着し、記念撮影する人たち=福井県敦賀市で2024年3月16日午前6時58分、長谷川直亮撮影

北陸新幹線が延伸開業し、下りの「一番列車」つるぎ1号がJR敦賀駅に到着し、記念撮影する人たち=福井県敦賀市で2024年3月16日午前6時58分、長谷川直亮撮影

 北陸新幹線の金沢―敦賀福井県敦賀市)間が16日、延伸開業した。福井県内に初めて新幹線が開通し、石川県内と合わせて6駅が誕生。東京―敦賀間は直通列車の「かがやき」「はくたか」が1日計14往復する。敦賀駅で出発式があり、午前6時11分、上り一番列車「かがやき502号」が東京に向けて出発した。

 石川県内に小松、加賀温泉の2駅、福井県内に芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の4駅が新設された。東京―福井間は最速2時間51分となり、国は最終的に新大阪までの延伸を計画している。一方、大阪と金沢を結んでいた特急列車「サンダーバード」は敦賀止まりになった。

 この日、敦賀駅では開業式があり、JR西日本の長谷川一明社長が「人、街、社会のつながりを深化させることで、国内外の多くの人を動かす、未来を動かすことにつながるよう期待している」とあいさつし、テープカットやくす玉割りで開業を祝った。関係者約50人が見守る中、上島豊敏駅長の合図で一番列車がホームを後にした。

 この列車で金沢に向かった大阪府茨木市の会社員、菅野雄介さん(30)は「一番列車ならではのお祭りムードを味わいたかった。日帰りになるが、金沢でも夕方まで開業イベントを楽しみたい」と笑顔で語った。また、富山・金沢と敦賀を結ぶ「つるぎ」で富山から敦賀駅に到着した大阪市東淀川区の会社員、森本雅成さん(25)は「特急で何度も通ったことのある区間だが、揺れも少なく、座席が高いので景色も違った。この快適さで大阪から1本で北陸まで行くのが理想。早く大阪までつながってほしい」と、全線開業への期待を口にした。【高橋隆輔】

 

“鼻先”は9m 山形新幹線、25年ぶり新型車両 E8系デビュー(2024年3月16日『毎日新聞』)

 

山形新幹線の新型車両「E8系」に出発合図を出す山形県の吉村美栄子知事(左)ら=JR山形駅で2024年3月16日午前7時14分、神崎修一撮影
山形新幹線の新型車両「E8系」に出発合図を出す山形県吉村美栄子知事(左)ら=JR山形駅で2024年3月16日午前7時14分、神崎修一撮影

 

 山形新幹線の新型車両「E8系」(7両編成、定員352人)の出発式が16日、JR山形駅で開かれた。山形新幹線に新型車両が投入されるのは25年ぶり。山形県吉村美栄子知事らが合図を出して、新しい「つばさ」の出発を見守った。

 E8系は車両先頭部の「ノーズ(鼻先)」が現行の6メートルから9メートルに伸びた。白や紫がベースの車体は、蔵王の雪や県鳥のオシドリをイメージ。側面には山形特産の紅花色の鮮やかなラインが入った。

 E8系の運転は1日3往復。東京―福島間はE5系「やまびこ」と併結される。宇都宮―福島間の最高時速が275キロから300キロに向上し、東京―山形間の所要時間は4分短縮され、最速2時間22分で結ばれる。

 吉村知事は「県民が待ちに待った日。これまでの車両より流線型で、山形らしさも感じられるデザインになった。所要時間も一気に4分短縮されるのは画期的。乗客もわくわくしている」と喜んだ。【神崎修一】