静岡県下田市は3月15日、空き家バンク事業の利用登録者60人分の個人情報の漏えいがあったことを発表しました。この情報は、2023年4月に行われた下田市議会議員選挙の選挙運動用はがきの送付に利用されていました。
下田市によりますと、2023年4月、空き家バンク事業の利用登録者から「面識のない人から選挙はがきが届いている」と窓口に相談があり、市が調査したところ、下田市議の男性が送っていたことが判明。
この情報をもとに、2023年4月に行われた下田市議選の選挙運動用のはがきを60人に送っていたということです。
男性市議はこの選挙で当選しました。
この空き家バンク事業は、下田市のNPO法人が業務委託を受けており、市議の男性が2023年4月までこの法人の代表理事を務めていました。
市では、法的措置を検討、男性市議が選挙運動用はがき送付に職務上、知り得た個人情報を悪用したとして、2024年3月15日、下田警察署に告発状を提出しました。
市は、情報漏えいがあった60人に謝罪文書を送るとともに、今回の経緯を市のホームページに掲載。適切な個人情報の管理など、業務委託先への指導を徹底し、再発防止に努めるということです。
NPO個人情報、選挙に利用疑い 下田市が市議告発 /静岡(2024年3月15日『毎日新聞』)
岡崎大五・下田市議(61)が、かつて代表理事を務めていたNPO法人「伊豆in賀茂6」の利用者の個人情報を利用して、2023年4月の市議選で選挙運動用はがきを送っていたとして、市は15日、個人情報保護法違反の疑いで岡崎氏を下田署に告発した。
市によると、同法人は、空き家の提供希望者と利用希望者のマッチングをする「空き家バンク事業」を市から委託されていた。
市議選の選挙運動期間中の23年4月19日、空き家バンクの登録者から市に対し「面識のない岡崎氏から選挙はがきが届いた」と相談があった。市が岡崎氏や同法人の職員から聞き取りをするなどして調べた結果、空き家バンクの登録者のうち60人の住所と氏名が選挙運動用はがきの送付に利用されたことを確認したという。
個人情報漏えい疑い 下田市議を告発(2024年3月15日『NHKニュース』)
理事長として携わっていた空き家バンク事業に登録していた60人分の個人情報を、選挙運動用のはがきを送るために利用したとして、下田市は15日、61歳の市議会議員を個人情報保護法違反の疑いで刑事告発しました。
告発されたのは、下田市議会の岡崎大五議員(61)です。
下田市によりますと去年4月、市が委託する空き家バンク事業の利用登録者から、「面識のない岡崎議員から選挙はがきが届いた」という相談が寄せられたということです。
議員は、NPO法人の理事長として事業に携わっていたことから市が調査を進め、法人が管理する利用登録者のうち60人に選挙はがきを送っていたことが確認されたということです。
このため市は議員が職務上知りえた個人情報を選挙運動に利用したとして、個人情報保護法違反の疑いで15日、警察に刑事告発しました。
岡崎議員は去年4月に投票が行われた市議会議員選挙で初当選していて、NHKの取材に対し、「懇意になった人に選挙への協力を呼びかけたつもりだったが、個人情報に対する認識が足りず反省している」と話しています。
進退については、3月21日に会見を開き考えを述べたいとしています。