春闘 大手中心 高水準賃上げ妥結相次ぐ 中小などへ波及焦点に(2024年3月14日『NHKニュース』)

 春闘

 

ことしの春闘は13日、集中回答日を迎え、大手企業を中心に高い水準の賃上げの妥結が相次ぎました。実質賃金のマイナスが続く中、今後は中小企業や非正規雇用で働く人へどこまで波及させられるかが焦点となります。

繊維化学、流通、サービス業など、およそ2200の組合でつくる産業別労働組合で、パートなどの非正規労働者がおよそ6割を占める「UAゼンセン」の事務所には13日夜、大企業を中心に交渉の妥結が次々と報告されました。

経営側からは、人手不足を背景に満額や要求を超える高い水準の回答が相次ぎ、パート従業員の賃上げ率が正社員を上回る回答も目立ちました。

このうち
▽ドラッグストアの「ウエルシア薬局」は時給で88円の引き上げ、
▽スーパーマーケットの「ライフ」は76円、
▽家具日用品販売の「ニトリ」は67円の引き上げとなりました。

持続的な賃上げの実現に向け、大手企業を中心に続く高い水準の賃上げの流れを今後、労使交渉が本格化する中小企業にどこまで波及させられるかが焦点となります。

UAゼンセンの松浦昭彦会長は、「大企業だけでは社会全体での大きな変化にならず中小企業での賃上げが大事だ。それを進めるには人件費を含めた適正な価格転嫁が重要になる。働く人や大企業と中小企業の格差を是正して社会全体での賃上げを作り上げていきたい」と話していました。

 

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