「最終的な責任者は私で、本当に申し訳ない」。女性ダンサーを招いた昨年11月の党和歌山県連主催の会合に出席していたとして、党青年局長を辞任した藤原崇氏(衆院岩手3区)は12日、国会内で記者団に頭を下げた。後任に起用された鈴木貴子青年局長は党本部で「信頼回復に党一丸で取り組まなくてはいけない中、火に油を注ぐ事態で、大変心苦しく、国民におわびしたい」と陳謝した。
◆後を絶たない不祥事
党の規律を協議する11日の党紀委員会では「こんな昭和の政治家みたいなことがまかり通っているのは遺憾だ」と時代錯誤の行為に苦言が続出。党が裏金事件に揺れる「最悪のタイミング」(閣僚経験者)で露呈した「目的を大きく逸脱した極めて不適切な会合」(幹部)により、党の体質や議員の資質そのものが疑われる異常事態となった。
さらに、派閥の裏金事件が強制捜査となり、年明けには安倍派の現職議員3人が立件された。衆参両院で政治倫理審査会が開かれているが、裏金づくりにかかわった議員は説明責任を果たさず、事件の実態解明や再発防止の動きは鈍い。
◆「幹部が責任を取らない」と批判
皮肉なことに、ダンサー会合に出席していた藤原、中曽根両氏は裏金事件後、声高に「党改革をリードしていきたい」と唱えてきた当事者。その言葉とは裏腹の行動にベテラン秘書は「議員の質がここまで下がっているということだ」とあきれ果てる。
安倍派の中堅議員は「有権者に一番批判されているのは、わが派の幹部が責任を取らないことだ」と身内に矛先を向ける。二階派の中堅議員は「派閥幹部は自分で進退を判断すべきだ。それをせずに国民が許してくれることはない」と述べ、党の処分や政治責任を明らかにするよう求める。
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